2019年6月2日日曜日

大塚まさじさんが一乗寺にやって来た

大先輩のシンガーソングライター・大塚まさじさんが、49年続く一乗寺のカフェ「のん」に歌いに来られたので、会いに行った。自宅からチャリで数分の場所でまさじさんライブを観れるなんて不思議な気がした。
PAなしの生音ライブ。歌もMCも味わい深く、10年前とも20年前とも違う、今のまさじさんを感じることができた。
ライブ後は、久しぶりに色々お話させてもらえて嬉しかった。

自分よりも14歳年上で、来年古希を迎えるまさじさんのステージを観ながら、自分の70歳を想像した。
自分が10代、20代の頃は、60代、70代のシンガーソングライターやロックミュージシャンはまだ存在しなかったから、その姿を想像するのは難しかった。未知の世界だったのだ。

草の根のネットワークを頼りに日本中をツアーする形を日本に定着させたのは、まさじさん世代のシンガーソングライターで、自分は、その轍を辿ることで、ここまでやってこれたと思っている。
そして、今もまさじさんは新しい轍を描き続けている。70代のツアーミュージシャンは成り立つのだろうか。それは新しい試みだ。
まさじさんが元気に音楽活動を続けられている姿に、勇気づけられると同時に、その背中を見ることのできるありがたさを感じる。

昨夜のステージのMCでまさじさんが「感じやすい年頃になった」と冗談ぽく語られていたのだけれど、その感じ、自分にもわかり始めた気がする。体験の積み重ねが感情を豊かにしてくれるのだろう。
まさじさんの同世代の仲間の多くは既にこの世から旅立ったけれど、まさじさんの音楽と心の中には、今も旅立った仲間達が寄り添い続けている。そのことを昨夜のステージの端々で感じることができた。
なんだか、まさじさんの出会いに満ちた豊かな人生を、ステージを通してお裾分けしてもらっているような気がした。

歳を重ねると哀しみは深まってゆくけれど、その分人生はより彩られ味わい深くなってゆく、そう思えた夜だった。

ー 2019年6月1日