最近、ライブ中の写真&動画撮影をOKすることにしました。
その理由は、お客さんがライブ写真をSNSに上げてくれることによるプロモーション効果への期待もありますが、それ以上に「時代の流れには抗えないな」というのが正直な気持ちです。ある程度は自分の感覚を時代に適応させることも必要なのかなと。
でも、まだ違和感が拭えないので、一度正直な気持ちを伝えさせてもらおうと思います。
自分の場合、お客さん全員の顔を見渡せるくらい小規模な会場でライブすることが多いので、多分、皆さんが想像する以上に、お客さん一人一人の動作や反応が目や耳に入ってきます。
静かなバラードを弾き語っている時に、シャツター音が聞こえてくると、平静を装いながらも内心はイラっとしてます。演奏してる目の前で、ずっとスマホやカメラを向け続けられると、さすがに演りにくいです。フラッシュの使用もやめてほしいです。
写真は1ステージにつき数枚程度、動画は1分以内くらいにしてもらえるとありがたいです。できれば、堂々とではなく、自分の目線が向いていない時などにコソコソ撮影してもらえるとありがたいです。共演者やライブの規模によって、こちらの希望が変わる場合もあります。
客席からスマホを向けられている時は、お客さんと自分の間に距離を感じることが多いんです。「観られている」という感じ。
観るよりも参加してもらいたいんです。集まってくれた皆さんと一緒になってライブ空間を作っていきたいんです。
あなたもその場をつくる大切な1人なんだということを忘れずにいてくれたら嬉しいです。
その思いさえ共有できれば、今の自分規模のライブなら、細かい禁止事項を決める必要はないんじゃないかと思ってます。そうあってほしいです。
最高の一期一会のため、ご協力お願いします。
ー 2019年7月31日(水)
2019年7月31日水曜日
2019年7月2日火曜日
逡巡をこえた答 ー 映画「新聞記者」を観て
映画「新聞記者」を観た。
権力とメディアの攻防を描いた、現実とリンクする怖い内容だけれど、娯楽映画として予想以上に楽しめる内容だった。
隅々に映像テクニックの創意工夫がなされていて、若い監督と映像チームの垢抜けたセンスを感じた。
批判に重心を置かず、複数の視点を用意し、考えさせる余白、問いかけを残そうとする姿勢にも共感を覚えた。
監督自身も語っていたけれど、この映画の軸となるテーマの一つは「集団の中の個のありよう」だ。松坂桃李が演じる官僚やシム・ウンギョン演じる新聞記者が組織の中で悩み葛藤する姿は、やり切れなさを感じさせる一方で、希望として自分の目に写った。
空気を読み、自分の属するクラスタとポジショントークに安住することで思考停止と分断が進む社会の中で、悩み葛藤を続ける態度の大切さを今まで以上に感じる。そういったプロセスを経て、逡巡をこえた答を導き出したいと思う。
もし、そうやって得た答の中にも間違いがあれば、その間違いを受け入れるしなやかさと勇気を持ちたい。
映画を見終えた後に、ネット上に掲載された、この映画のエグゼクティブ・プロデューサーである河村光庸氏と藤井道人監督、両者のインタビューを読み比べてみたのだけれど、2人の個性の違いを感じて興味深かった。
河村氏は反権力の意識が強い人で、藤井氏は元々はそういう意識の希薄な人のようだ。この意識の差は、世代の差にもよるのだろう。両者の化学反応によって、この映画は権力批判や告発を超えた人間ドラマとして、人としてのありようを問いかけるような普遍的なテーマを得たように思う。
71歳のプロデューサーの問題意識と32歳の監督のしなやかな感性が、この映画を通して理想的な出会いを果たした意味の大きさを感じる。
このような題材を扱うことに、これまで以上の覚悟が求められる時代になったと思う。その勇気にも敬意を表したい。
観終えた後に無性に語りたくなったし、誰かと語り合いたくなった。左右、世代を超えて観てもらいたい。この映画、ヒットしてほしいなあ。
ー 2019年7月2日(火)
権力とメディアの攻防を描いた、現実とリンクする怖い内容だけれど、娯楽映画として予想以上に楽しめる内容だった。
隅々に映像テクニックの創意工夫がなされていて、若い監督と映像チームの垢抜けたセンスを感じた。
批判に重心を置かず、複数の視点を用意し、考えさせる余白、問いかけを残そうとする姿勢にも共感を覚えた。
監督自身も語っていたけれど、この映画の軸となるテーマの一つは「集団の中の個のありよう」だ。松坂桃李が演じる官僚やシム・ウンギョン演じる新聞記者が組織の中で悩み葛藤する姿は、やり切れなさを感じさせる一方で、希望として自分の目に写った。
空気を読み、自分の属するクラスタとポジショントークに安住することで思考停止と分断が進む社会の中で、悩み葛藤を続ける態度の大切さを今まで以上に感じる。そういったプロセスを経て、逡巡をこえた答を導き出したいと思う。
もし、そうやって得た答の中にも間違いがあれば、その間違いを受け入れるしなやかさと勇気を持ちたい。
映画を見終えた後に、ネット上に掲載された、この映画のエグゼクティブ・プロデューサーである河村光庸氏と藤井道人監督、両者のインタビューを読み比べてみたのだけれど、2人の個性の違いを感じて興味深かった。
河村氏は反権力の意識が強い人で、藤井氏は元々はそういう意識の希薄な人のようだ。この意識の差は、世代の差にもよるのだろう。両者の化学反応によって、この映画は権力批判や告発を超えた人間ドラマとして、人としてのありようを問いかけるような普遍的なテーマを得たように思う。
71歳のプロデューサーの問題意識と32歳の監督のしなやかな感性が、この映画を通して理想的な出会いを果たした意味の大きさを感じる。
このような題材を扱うことに、これまで以上の覚悟が求められる時代になったと思う。その勇気にも敬意を表したい。
観終えた後に無性に語りたくなったし、誰かと語り合いたくなった。左右、世代を超えて観てもらいたい。この映画、ヒットしてほしいなあ。
ー 2019年7月2日(火)