最近のニュースは、南アフリカで新たに見つかった新型コロナウイルス変異株「オミクロン」の話題で持ちきりだ。
どうやらこの変異株が世界に蔓延するのは時間の問題のようで、話によれば、32カ所の変異が感染性を高めるだけでなく、ワクチンや自然感染による免疫を回避する恐れもあるという。そう聞かされると、デルタ株を超えるような、さらにやっかいなウイルスを想像して不安になる。
その一方で、南アフリカの医師会の会長からは「オミクロン株の症状は軽く、重症患者はほとんどいないため、パニックになる理由はない」とのコメントもあり(https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000236639.html?fbclid=IwAR3mJnGgBdVtk5nqAKaferEDuAubqlN4KqlKcbgJ86TjN-5MLEgv0SteXVk)、じゃあ、それって風邪みたいなもんじゃないのとツッコミもいれたくなる。
この新たな変異株に関する知見はまだまだ乏しく、その実態がはっきりつかめていないのが実情なのだろう。楽観し過ぎず、悲観し過ぎず、冷静に状況を受け止めたいと思う。
この変異株が南アフリカで発見されたという事実を知ったときには、懸念が実現してしまったような思いを持った。
以下は、11月27日のニューズウィークの記事(https://www.newsweekjapan.jp/kimura/2021/11/post-129_2.php)からの抜粋。
《「アフリカの人口のうちコロナワクチンを1回でも接種したことのある人はわずか11%程度。 これまでのところサハラ以南のアフリカ諸国の多くは公衆衛生や医療サービスのリソースが非常に限られているにもかかわらず、流行をうまく抑えてきた」と評価する。
「しかし感染しやすい集団がたくさんあるため、コロナの流行が低所得層の医療サービスを圧迫する可能性は十分にあり、その結果、新たなVOCが増える恐れもある。これはワクチン展開の不公平さがもたらした結果であり、富裕国が十分すぎるワクチンを手にしたとしても、いつかは自分たちに跳ね返ってくる」》
やはり自国ファースト、身内ファースト、自分ファーストでは、コロナを克服することはできないんだと思う。
日本では今月から3回目のワクチン接種受付が始まっているけれど、途上国へのワクチン展開を加速させることができなければ、いくら先進国で3回目の接種が進んでも、あらたな変異株とのイタチごっこは終わらないのかもしれない。これは人類全体の問題なのだ。
そして、ワクチン接種が全世界に行き届いてコロナが世界的に一旦収束したとしても、このウイルスが人類に提起した問題の根本解決にはならない気がする。ワクチンによって新型コロナを急速に駆逐すれば、今度はそれによる副作用、自然からのあらたなしっぺ返しが起こるかもしれない。
そもそも、自然を完全にコントロールしようとする人間の傲慢さが、この状況をもたらしたのではないだろうか。やはり、人類のあり方そのものが問われているように思う。
これを一つの機会と捉えて、前向きに新たな価値観を模索する1人でありたい。
ー 2021年12月1日(水)
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