2000年12月25日月曜日

2000年12月25日(月)

昼食の後、なにげにNHKのBSにチヤンネルを合わせたら1969年のNHK紅白歌合戦を放映してた。
白黒映像がうつし出す往年のスター達を懐かしく観ていたら、なんといき なりマキさんが登場、「時には母にない子にように」を歌いだした。
強力な存在感は、既にこの頃から身についていて、マキさんが歌い出だした瞬間、場の 空気がガラっと変わった。
抑えた歌唱が醸し出す寂寞感はとても魅力的で、静けさのなかに凛とした思いの強さが感じられた。
昔も今もマキさんは特別なシンガーだ。19日のライブで僕はマキさんのサポートに一 区切りをつけたのだけれど、4年間、希有なシンガーと付き合えたのは僕の財産だ。

2000年12月16日土曜日

2000年12月16日(土)

現在、我が仕事部屋におけるCDや本、資料類等の浸食と散乱ぶりはすざましく、抜本的な改革を要する危機的事態に陥っている。
そこで、気持ちを切り替える意味もあり、2日前から、仕事部屋の大掃除とリフォームに取りかかっている。とにかく不必要なものはどんどん捨ててゆくことにした。
既に45リットルのゴミ袋10個以上に相当するゴミをだしているにもかかわら ず、作業はなかなか終わりが見えてこない。
掃除の途中で、懐かしい品々が目に入り、作業が中断してしまうことがよくあり、これが進行を遅らせる大きな原因になっている。
自分の書き込みを本のページのなかに見つけて、笑ってしまったり、古いノートに 書き溜められた詞の断片を見て、恥ずかしくなったり、ついついそんなことに時間を 費やしてしまうのだ。
思い出を失うようなつらさを感じて、捨てることになかなか踏ん切りのつかない物 も多い。「さよならばかりが人生だ」とつぶやきながら、さっき、学生時代に買い集 めてから長い間、押入に眠っていた「じゃりん子チエ」を古本屋へ回すことにした。
ショックだったのは、何度も繰り返し読んだ書物を手にとり、それらに少し目を通 してみたら、ほとんど内容を覚えていなかったことだ。僕は既に思い出をなくしてい たのだ。
などと、感傷にひたっている場合ではない。作業を続けよう。

2000年12月3日日曜日

2000年12月3日(日)

先日、CS放送で原一男監督の映画「全身小説家」を観た。小説家井上光晴の癌に 冒された晩年を追ったドキュメンタリー映画である。
学生時代に「ゆきゆきて神軍」という映画を観て以来、この監督の存在はずっと 気になっていた。
165 分、観終わったらどっと疲れたけれど、長い余韻が残った。

井上が自分の人生さえもフィクションで仕立て上げようとしていたことを、映画 は、彼自身の発言や行動、様々な証言から明らかにしてゆく。嘘つき少年だった井 上にとって小説家は天職だったようだ。井上は自分の過去をねつぞうすることによ って、過去からも自由になった。
映像が井上の真実に迫ろうとすれば、するほどに僕のなかで彼に対する幻想がふ くらんでゆくような気がした。作品のなかでフィクションとノンフィクションがせめぎ合い、強いリアリティーを生み出す様は、僕が理想とするプロレスの形をみて いるようで面白かった。
井上の、自由とは人に期待しないことだ、という言葉が頭から離れない。
映画の余韻がさめきらない2日後に、監督の原一男が今度はNHKの番組に登場し た。多発する10代の犯罪を受けて、原一男、ジャーナリストの江川招子、作家の 重松?がスタジオで現役高校生達と討論する4時間番組で、本質に迫れないもどか しさを感じながらも、最後までみてしまった。
大人の側は今の10代の若者を自分達とは別の生き物のように語ることがあるけれ ど、本当にそうなのだろうか。10代を理解し難いというのは、実は自分自身を理解 していないということではないだろうか。番組を観ながら、そんなことを考えた。
皆の心に潜む「暴力性」を議題に乗せたのは原一男だった。
僕はすべての人間の中に暴力性が存在すると思う。例えばセックスという行為には 常に暴力性が含まれているんじゃないだろうか。けれど、相手との深いつながりによ って、それが癒しに昇華されたりするのだと思う。大切なのは自分の持っている暴力 性と、どう向き合い、付き合ってゆくかだと思う。
討論に参加した多くの若者が殺したい、死にたいという感情を抱くことがあると語 っていた。今の多くの10代は、そういう感情を無意識下におさめることが出来ない 状況に置かれているのだと思う。
多くの人達が自分の中の暴力性を持て余している。けれど、その存在を否定すべき ではない。
話を奇麗事におさめず、自分の内面をさらして、10代とのコミュニケーションを はかろうとしていた原一男に、僕は好感を持った。

2000年11月29日水曜日

2000年11月29日(水)

BBSをのぞいてみたら、僕のデビュー10年を祝ってくれる書き込みが多数。 この場をかりて、ありがとうございます。
一人じゃ、やってこれなかった。これから もよろしく。  明日も、書き込む予定。

2000年11月7日火曜日

2000年11月7日(火)

ツアー日誌の続きです。

10/20(金)ピアノマン.ナイトatチキンジョージ  (出演)リクオ、キョン、西本明、ツンタ よく寝たので体調がかなり戻る。 今日もツンタと移動。彼はピアノマン.ナイト初参加。 このイヴェントのツアーは、もう3回目になるのでマンネリと馴れ合いを警戒してリハ ーサルから緊張感を持ってのぞむように心掛ける。初日ということもあり少しナーバス になった。 生憎の雨。客足も今一つ伸びなかった。 比較的、おとなしい、上品な客層だった。 ど田舎でのライブだと、お客さんがハングリーな状態で、とにかく楽しんでやろうとい う意気込みが強い。開演前に出来上がっていることも多くて、ライブが盛り上がる確率 が高い。 都会のお客さんは回りの反応をうかがいながら、観ている感じ。 人のライブを観に行っても、時々、自分だけ乗っていて、浮いていたりする。 逆に盛り上がりについて行けないライブもあるけれど、そういう時は、あらかじめ、 客の間で、コンセンサスがとれていて、皆、安心して盛り上がってる場合が多い。 この日のステージは、少し、パフォーマンスに気をとられ過ぎた気がする。

10/21(土)ピアノマン.ナイトat京都 磔磔 京都まで一人で移動。 チェックアウトしてから時間があったので神戸をぶらついた。本屋で立ち読みしたり、 茶店でぼんやりしたりして過ごす。 この日は、席がぎっしりとつまって、立ち見がでた。ありがたい。 キョンさんのお母さんが観に来ていた。気さくで、明るい方だった。 母親の前で演奏なんて、自分なら動揺してしまうけれど、この日のキョンさんはリラッ クスしていて調子が良さそうだった。 自分も昨日より調子が良かった。MCはツンタ.ネタで引っぱる。 後でツンタから「ステージで自分のことをチンピラだと言いすぎる」と、抗議される。 地元ということで、旧友が何人も遊びに来てくれた。嬉しいものだ。

10/22(日)ピアノマン.ナイトat名古屋 得三 リハーサル前に西本さん、ツンタとお茶する。 そんなつもりはなかったのに、話の流れで、ツアー中に考えていたことなどを、えらく熱 く語ってしまう。でも、それで3人の気持ちが少し盛り上がったかもしれない。 この日のライブは、出だしのキョンさん、西本さんとのセッションで、客をつかめたので、 ツンタにうまくつなげられた。彼もこのツアーで一番納得のいく演奏ができたようだ。 このイヴェントを仕切っているトミーが、ライブ中に楽屋に入ってきて「ツンタが弾けた」 と、嬉しそうに言っていたのが印象に残った。 この日は意識的にパフォーマンスを押さえて、歌に集中するよう心掛けた。声が良く出た。 イヴェントとして、この日のライブが3日間で一番良かったと思う。 ライブが終わって、ほっとした。

10/23(月)岐阜県関市 高橋商店リクオ.ソロ 思いっきり、疲れが出た。移動の時から体がだるくて仕方がない。 ちゃんとライブができるのか、不安になる。 リハーサルが終わったら、開演40分前まで、寝る。体はまだ重いけれど、気合いを入れ て本番にのぞむ。畳に 用意された40席ほどが埋って、いい雰囲気が出来上がっていた。 高橋商店はリクオ.ファンの高橋夫妻が一年前にオープンさせた居酒屋で、開店まえから 頼まれていて、やっと実現したライブだった。 この日は夫妻のあらかじめのリクエストにこたえて「僕は知っている」を歌う。10年 ぐらい前に作った曲で、何年振りか思い出せないくらい、久し振りに歌った。 懐かしさと、新鮮さと、照れの混じった、妙な気分になった。 こういうラヴ.ソングはもう、書けないかもしれない。 2回のアンコールにこたえて、なんとかライブを終える。 そうそう、この日演った「マウンテン.バイク」の、「ヒュー」というかけ声のところで 調子の良い一部のお客さんが自発的に腰をあげてバンザイしたら、皆、真似し始めて全員 でバンザイしていたのが笑えた。

2000年11月4日土曜日

2000年11月4日(土)

では、10月のツアー日誌です。
10/18(水)リクオソロat広島 OTIS 2週間程前に同じピアノ弾き語りをやるツンタから連絡があり、18、19はツアー のオフ日で近くに来ているから飛び入りで歌わせてくれとのこと。店の了承をとって OKする。 オープニングで4、5曲歌ってもらって、バトンタッチ。 ここでのライヴは毎回、マスターの期待感をひしひしと感じる。とてもありがたい けれど、同時に、ヘタなライヴをやればもう呼んでもらえないような緊張感も感じ る。 この日は新曲を数曲試してみたけれど、もう少し煮つめる必要を感じた。 ライヴ初日、色々と課題が残った。 演奏がレッドゾーンを超える瞬間がもっと、あってもいい。 九州からツアーを始めて前日は岡山でライブをやっていたというツンタは慣れない旅 に悪戦苦闘してきたようだ。少し消耗している様子。
夜はかなり冷えたのに、ホテルの暖房が効かず、寒かった。
10/19(木)倉敷 音楽舘 時間があるので在来線で移動。 広島駅前の信号が故障して、プラットホームで、40分程、待たされる。 これで体が冷えた上に、乗った電車の冷たい隙間風にも悩まされる。倉敷についたあたりで調子が悪くなり、鼻風邪状態。 楽屋でツンタとお互いの服装をチェック。どっちもチンピラ風。チンピラ度では自分 の方が上だとツンタが主張。そうかもしれない。 ツンタの演奏は今日の方が緊張がほぐれていて良かった。 自分のステージの流れは昨日よりはよかったけれど、ライブの後半から鼻がつまりだ し、アンコールのラスト曲、ケサラのエンディングでついに水鼻が唇のあたりまで 垂れてしまう。前方のお客には絶対にばれたな。この日は一滴もお酒を飲まずにおとなしくホテルへ戻って、とっとと寝た。
続きは次回だ!

2000年11月2日木曜日

2000年11月2日(木)

久し振りの登場。
ここ数日、部屋にひきこもってる。 テレビ観て、楽器いじって、パソコンやって、朝の10時に寝て、夕方4時に起きて、 なかなか楽しい毎日。
では10月の暮らし振りを振り返ります。

10/7(土)夕方からヘルツのマネージャーの哲ちゃんと、近所のフアミレスで打 ち合わせ。彼は話がうまい。ちと、その気にさせられました。 その後、下高井戸にあるN氏の自宅スタジオを訪問。哲ちゃんがヘルツの楽曲、"LIFE" のリミックス作業をそこで行っているのだ。いい感じで作業は進んでいる。かなり踊れ る。完成が楽しみ。
10/8(日)下北沢ラ.カーニヤへヴァイオリン奏者、HONZIのライブを観にいく。 サポートに学君(もちろんヘルツのドラマー)、トモフスキーこと大木君(主にパーカ ッション)、たまの知久君(主にギター)、パスカルズの斎藤君(キーボード)という とても興味深いメンバーが揃う。皆、歌心があってセンスもよく、音の楽しみ方を心得 ている。それぞれの奏でるサウンドが、目に見えるかのように、空間の中で、交差しあ ったり、溶け合ったりしながら響いていた。大正解の人選だったと思う。 HONZIも独自の世界観をのびのびと表現していた。 ラ.カーニヤを出た後、すぐ近くのライブ.スポット、CLUB QUEで催されていたUKプロジ ェクト(リクオとヘルツのCDはここから出てます)社長、淳さんの50才を祝うパーテ ィーに遅れて参加。有山さん、石田さん、裕さん、逸郎さんといった濃い先輩方が勢揃 い。多いに盛り上がっていた。 適当なところでパーティーを抜け出して、HONZIチームと合流。なぜかハシケンもやって くる。知久君と飲むのは本当に久し振り。話がはずんで気持ちの良いお酒が飲めた。 彼から口琴をゆずってもらう約束をする。 下北の夜を満喫。
10/9(月)夕方まで死人。新宿で行われていた鈴木祥子ちゃんのインストアライブ をすっぽかしてしまった。 夕方からテレビで、名高のボクシング世界タイトルマッチを観て、その後7時からは K-1グランプリを、夜中にはワールドプロレスリングで川田VS健介の試合を観戦。 川田VS健介は好勝負ではあったけれど、対抗戦ならではのまさつ熱や、新しい価値観 が生まれる可能性は、感じられなかった。  夜中からパソコンで執筆を始めて、調子に乗り、昼過ぎまで続ける。
10/10(火)夜に7時頃起きる。食事の後、ジムに入ってスカッシュと水泳。 また親知らずが暴れ出した。
10/11(水)天気が良いので、善福寺川沿いを散歩。 この川沿いは野良猫がたくさん生息している。散歩する人達からもらう餌が豊富なのだ ろう。やたらと人間慣れしていて、毛並み、体格もよく、皆のんびりとしている。 曲が出来た。
10/12(木)新宿の某ファミレスにヘルツのメンバーとマネージャーが集合。 今後の活動についての打ち合わせ。復活に向けて、年内にはリハーサルに入る予定。 HMVでラテンものと2ステップもののコンピを買って帰る。
10/13(金)部屋で毎日、音楽を聴いていて、楽しい。 最近の一番の当たりはダン・ヒックスの新譜。粋やね。 ピアノマンナイトのためにインスト曲を書き下ろす。
10/14(土)トイストーリー2のビデオとDVDの発売告知のCMナレーションをやる。 おもっきりテンションをあげてしゃべるように監督さんから支持される。 結構、乗れてやれて楽しかった。
10/15(日)夕方から某氏とスタジオ入り。
10/16(月)昼過ぎから歯医者。歯石を削り取ってもらう。歯茎の奥を削られて 痛かった。 夕方から某氏とスタジオ入りして、曲作り。
10/17(火)ピアノマンナイトツアーに向けて、キョンさん西本さんとリハー サル。インストも含めた新曲を3曲持っていく。 次回はツアー日記。