2010年5月13日木曜日

芸大教室&酒場ダブルヘッターライブー山形にて

 一月程前に山形の音楽制作会社サンセットスタジオの早坂さんから連絡があり、山形市内で1日2ヶ所のライブ出演の依頼を受けた。1つは、早坂さんが講師 をしている東北芸術工科大学での、授業の一環としてのライブ&トーク、もう1つは早坂さんがオーナーのライブバー、フランクロイドライトのリニューアル オープンライブ。内容を簡単に聞いて即OK。4/10(土)札幌は都会 特に、大学の授業で演奏するのは始めてだったので、ライブがとても楽しみだった。
 芸工大に到着してまず、構内に能楽堂があるのに驚かされた。構内の建造物はどれも凝って洗練されたデザインで、さすが芸大という感じ。
 久し振りの大学キャンパスは、とても懐かしい空間だった。学生食堂でお茶していると、学生気分に戻って、自分が学生の親でもおかしくない年齢だということを忘れてしまいそうだった。ただ、居心地の良さを感じる一方で、ちょっと切なさも覚えた。
 自分にとって大学キャンパスは、ティーンエージャーの頃の鬱々とした世界から抜け出すきっかけになった場所、青春期の原風景の一つなのだろう。その頃に 何かが始まり今も終わらずに続いている一方で、既になくしてしまったものもあるという喪失感。大学キャンパスで思い出したのは学生時代の具体的な記憶より むしろ、その当時に自分が抱いていた感覚、感情の記憶だった。それらが蘇ってきて少し感傷的な気分になったのだろう。

 講義の時間になると、たいしてときめいた様子もなく、生徒達がだらだらと教室に集まってきた。きっと、いつもの教室の風景なのだろう。早川先生からの紹 介があって、教壇に招かれ、いつもの軽い調子でステージを始める。自分が教壇の側にいるというのはちょっと不思議な気がした。
 最初は、何が始まったのかよく掴めていないという表情の生徒も多かった。ライブ中は意識的にいつもよりトークを多くして、ライブの定義についてや、自分の体験談などを語った。
 ライブが進むにつれ、最初は様子見している感じだった生徒達の表情がほぐれて、生き生きとしてきた。その変化がとても新鮮だった。最後はアンコールも起こって、予想以上にライブらしい共鳴空間を作れたように思う。
 ライブ後は生徒達との質疑応答。芸大らしく、表現する立場からの質問が多かった。授業が終わった後も、何人もの生徒から声をかけられ、質問を受けた。二十歳前後の若者とダイレクトにコミュニケートできる機会がそんなにないので、新鮮で楽しかった。
 キャンパスを出るときに早坂さんから、生徒達が提出したライブへの感想レポートのコピーを束で受け取る。翌日の帰りの新幹線の中でゆっくりと読ませても らったのだけれど、すごく面白かった。ほんとによく聞いていて、それぞれが自分なりに感じ取ってくれていることに、感銘を受けた。レポートは大事に保管し ておいて、心が弱った時に読み返そうと思う。
 こういう機会を作ってくれた早坂さんに感謝。

 夜は酒場ライブ。年齢層がぐっと高くなる。酔った客多し。自分もアルコールを注入しながらのステージ。この振り幅が楽しい。

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