ビクターエンタテインメントが7月3日、公式サイトで契約アーティストの柴田淳さんの兵庫県知事・斎藤元彦氏に対する「人殺し斎藤」「ポンコツやめろ」などの発言を「誹謗中傷」と判断し、強く抗議する声明文を公表した。この異例とも思える踏み込んだ対応に、強い違和感を抱いている。
こうした声明文を公表するという行為は、おそらく数百万人規模の人々に「このアーティストは企業からも問題視されている」という強いシグナルを発することになる。ビクターの声明が、結果として大規模なバッシングを誘発・増幅する可能性は、十分に予見できたのではないか。
「誹謗中傷を許さない」という理念を掲げる声明が、現実には新たな誹謗中傷の波を招いている。
過去にも柴田さんは同様の注意を受けていたようだが、今回の公表は異例と言えるのではないか。契約アーティストを守る立場のレコード会社が、なぜこのような対応に至ってしまったのだろう。
こうした社会的制裁のスイッチを押すようなやり方は、柴田淳さんに問われている「誹謗中傷」の問題以上に、社会全体へ与える影響という意味で、はるかに強い力を持つように思える。表現の自由に対する萎縮効果も懸念される。
一方で、兵庫県の第三者委員会から公益通報者保護法違反と認定された告発者探しを行い、犬笛を吹くことで個人に誹謗中傷を集め、死に追いやったことが問われている知事を厳しく糾弾しようとした柴田淳さんの問題意識は、自分は間違っていないと考えている。
この件では、トーンポリシング(話し方や口調、感情の強さを批判することで論点をずらし、議論の妥当性を損なわせる行為)という問題も避けて通れない。この点については、あらためて投稿する機会があればと思っている。
強い言葉は支持者を熱狂させる一方で、中立層を遠ざけ、反対派の反発を招きやすい。トーンをどのように調節すべきかは、自分自身の問題としても捉えている。
ー 2026年7月5日(日)