2000年4月21日金曜日

2000年4月21日(金)

先日、朝日新聞に興味深い記事が載っていた。フランスの哲学者サルトルが最近フランス国内で再注目を集めているというのだ。サルトルに詳しいわけでも特別 に思い入れがあるわけでもないのだが、興味を持った のはその注目のされ方だ。
サルトルは元々、人権擁護、社会主義運動などを通してヒューマニストとの評価が一 般であった。ところが最近彼の反ヒューマニスト的な側面にスポットが当たっている というのだ。 反ヒューマニストとして捉える根拠については詳しく書かれていなかったのでよくわ からないけれど、ひとつ上げられていたのがボーボウァール以外に彼女が何人もいた という点。おいおい、そんなことでおおげさに反ヒューマニストなんて言われるんかい?などど 心の中でつっこみを入れつつ、実は結構大切な根拠かも、などと次第に思いを巡らす。
人道主義ーすべての人間に平等の人格を認め、人類全体の幸福を理想とする主義。これって正しい考えだなあと思う一方で、自分の多面 性を肯定していくとこの理想か らはずれる部分が出てくる気がする。ヒューマニスティックなにおいのぷんぷんするミュージシャンっているけれど、最近 そういう人やそういう表現に接すると少しつらく感じる。自分にも同じ要素があるこ とを自覚しているから余計に過敏になるのかも。そういうところからは以前より距離 を置きたいと思っているのだけれど、これって時代の空気に流されてるのかも。
自分の内面は案外複雑に入り組んでいて、どろどろしていたりする。引き裂かれ矛盾 している部分も多々有る。そこに足を踏み入れてみると自分がそんなにいい奴ではな いことも分かる。 そういえば浜崎あゆみが「いい人って、どうでもいい人みたいね~」って歌っていて どきっとしたことがあったなあ。 いい人がやってるロックなんて苦味のないコーヒーみたいなもんやな。
最近、自分がやってることはロックですというのも気がひけるというか、どうでもいい けど、ロックって何? というふうに思いは巡って行くわけです。
自己矛盾を無理に否定もせず肯定もせず、それを自覚しながら暮してゆけるだけのセ ンスとユーモアを持てたらと思う。 まじめやな。

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