2000年6月18日日曜日

2000年6月18日(日)

昨日、北海道ツアーから戻る。
6月の北海道はよい。プライベートでゆっくりと来たくなった。温泉につかって、水族館に行って、海をながめて、美味しいものを食べて、よく 飲んで、よく歌った。 北海道のお客さんは来る度に気さくになってくる感じ。もう少しクールにやるつもりだったのに、随分調子に乗せられてしまった。
ただ、栗山のお客は少し手がかかった。 酒歌楽というスナックを借りてのライブで、いつもより平均年齢が高めの客層。それは多分、あまり興味もなく頼まれてチケットを買ったお店の常連さんによる ところが大きい。そのおじさん、おばさん達がちとやっかいだった。アップテンポの曲では手拍子などして喜んで乗ってくれるのだが、聴かせる曲に なると途端に集中力を欠き私語に走りがちなのだ。この人達を黙らせるのがこの日のライブの一つのテーマになった。熱くなり過ぎてはだめ。いらついてはだ め。あまり意識しすぎずにチャンスを待った。その時が来た。 僕は目の前のマイクをはずし肉声で歌いはじめた。ピアノは歌うのに最小限必要な音だけを弾く。あまり叫ぶ必要はない。むしろささやけばよい。空気が張り詰 め、皆が耳をそばだてはじめたのがわかった。両手はピアノを離れ、僕は手拍子をとりながらアカペラで歌い始めていた。ひろがる手拍子の中で歌は祈りになっ た。この日の「パラダイス」の演奏のことはきっと忘れないだろう。

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