自分はある時期から、90年代半ば迄に作った曲をステージでほとんど演奏しなくなった。90年代後半から、自分の曲作りに対する姿勢が変化して、曲調が大きく変わったことが大きい。
曲調の変化にともない自分のキャラも変化してしていった。若い頃は、「ステージでお客さんにコール&レスポンスを促したり、ライブ中にアルコールを注入
するようなミュージシャンにはならんとこう」と思っていたはずなのだが、今は率先してそういうことをやっている。どちらかというと、自分はある時期から、
正しいことより楽しいこと、欲望に素直になることを選んだところがある。
デビュー前から付き合いのある大先輩のシンガーソングライター、友部正人さんから数年前に、「リクオはバンドじゃなくてソロなのに解散しているんだね」
と言われて、なる程と思った。そうやって振り返ってみると、デビュー以降、96、7年頃と、02年のヘルツの活動停止時期の2回、自分はある種の「解散」
を意識したのだと思う。
自分は過去の自分のアルバムを聴くことがめったにない。特にデビューから5、6年までの時期の作品には、ふたをしてしまっているようなところがあった。
数年前、メジャーレーベル所属時代の作品からのベスト盤を出すことが決まった時に、選曲のため、久し振りに自分の過去の作品に向きあった。アルバムを聴
いていると、当時の記憶や感覚がよみがえってくる感じで、懐かしかったり、胸が痛かったりした。やはり客観的に聴くことはできなかったけれど、素直にいい
曲だなと思える曲もあった。
今回の20周年イベントでは、「解散」前の曲も演奏してみようと思う。ステージで、10数年振りに20代の頃に書いた曲を演奏して、自分がどんな風に感じるのだろうか。
デビュー当時の自分の代名詞だったアコーディオンも弾くつもり。
自分にとって「ホーボー・コネクション」は色んな意味を含んだイベントだけれど、その一つとして、自分の中でふたをしていた過去と現在をつなげて未来に向かってゆくための場になればいいなと思う。
お待ちしてます。
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