セッティング、カメラアングル、照明、マイキング、音響等、スタッフのみんなとアイデアを出し合い、配信ライブならではのライブのあり方に、こだわれるだけこだわった。結果、空気感の伝わる音響と、映画を観るような美しい絵を届けることができたんじゃないかと思う。
配信の会場となったインキョカフェは、一乗寺に越して以来通い続け、お世話になっているミュージック・バー。
マスターの院去君は、ブルースを中心としたルーツミュージックをこよなく愛するナイスガイ。店のカウンター席は常に音楽好きの常連さんに占められていて、オレもその中の1人。
数ヶ月前では、このカウンター席で深夜まで、音楽とお酒と会話を楽しむのが、自分のこの街での大切な日常の一部だった。
酔いがまわって気分が良くなると、カウンター席を離れて、お店のアップライトピアノを千鳥指で弾きだすこともしばしばで、今回の配信ライブでは、そんな深夜の酔鍵ライブを再現したいと思った。
選曲も、インキョカフェのカウンターで聴いた曲や、お店に合いそうなブルージィーな曲を意識して、普段の弾き語りよりピアノ演奏をフィーチャーすることにした。
1部で演奏した「アフリカの月」は、3日前の深夜、インキョカフェで院去君と2人で歌った曲だし、2部で演奏したインスト曲、オスカー・ピーターソンの「自由への賛歌」は、先週、インキョカフェのカウンター席で、深夜3時に院去君と2人でしみじみと聴き入った曲だ。
自分の経験では、配信ライブは、演者もスタッフも普段のライブ以上に失敗が許されない一発勝負の緊張感を強いられる。けれど、今回のステージでは敢えて、その緊張感を伝えるよりも、くだけた適当さや、どうしようもない自分を受け入れるようなパフォーマンスを意識した。それが、自分にとって酒場で配信ライブをやる意味の一つでもあった。
個人的には、この状況下で、起きる出来事に真面目に向き合うことで、気持ちが硬直して、自分の多面性を自分で閉じてしまっているような心苦しさを感じていたので、もっと適当に自分を解放したい思いが強くなり始めていた時期だった。今回のステージには、そういう精神状態も色濃く反映されていた思う。
配信ライブに向き合うようになって以来、「いつ、どこで、どんな状況下で演奏するのか」をより強く意識するようになった。このコロナ禍に、一期一会のライブの新しい可能性に挑戦できる意味は大きい。通常のライブが可能になっても、新しい表現の場として配信ライブを活用していきたいと思う。
今の気持ちを忘れずにいれたら、ツアー生活に戻れた時にも、今まで以上に、一つ一つのライブを特別な場として、より新鮮な気持ちでステージに臨むことができるんじゃないかと思う。
前回に続き、リハーサルからリモート参加して、音響に関する的確なアドヴァイスをくれた上に、本番ではチャットにも参加して配信ライブを盛り上げてくれたソウル・フラワー・ユニオンの中川敬君にも、心から感謝したい。
彼は今や、一乗寺からの配信ライブには欠かせない存在。中川君の次回一乗寺配信ライブはノルウェジャンウッド改めオブリ(OBBLi)にて6月20日(日)に決定。
オレの次回の配信ライブは、京都の老舗ライブハウス・磔磔にて、竹原ピストル君とのジョイントライブが6月14日(日)に決定。磔磔は学生時代からお世話になり、デビュー前にはアルバイトもさせてもらっていた縁の深い場所。
まだ通常のライブに戻れる目処が立っていない磔磔にとっても新たな一歩となる大切な配信ライブなので、責任を感じる。次のステージに向けて、張り合いのある日々を過ごせることがホントありがたい。
もちろんピストル君と2人でのセッション曲も色々考えてます。
配信チームは、一乗寺ライブと同じスタッフが担当。配信ならではの、普段の磔磔では観れないライブをお届けします。
視聴参加、よろしくお願いします。
■磔磔 presents スペシャル配信ライブ 『リクオ × 竹原ピストル』
配信チケットのご購入および詳細
https://twitcasting.tv/kyoto_takutaku/shopcart/8184
5月31日(日)インキョカフェからの配信動画は、6月14日(日)までのアーカイブ録画視聴、その間の購入も可能です。よろしくお願いします。
https://twitcasting.tv/c:dop2020/shopcart/6267
全国の皆さんの、たくさんの視聴とコメントに、とても勇気づけられ、感謝してます。
ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
ー2020年6月1日(月)
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