2017年2月20日月曜日

リアル2ー 水戸にて9年振りに「名前を知らないけれど」を歌う

昨日は、東北&北関東4ヶ所ツアー(石巻、仙台、いわき、水戸)の最終日、水戸での2年振りのライブだった。ライブ会場のペーパームーンは、初めての会場だったけれど、もう何度も訪れたことがあるような親しみと懐かしさを感じさせる空間だった。
風邪が治りきらず、体調はあまりよくなかったけれど、客席からの熱い思いをエネルギーにして、ストーリーのある理想的なライブ空間を皆で作り上げることができたと思う。

昨夜のライブを主催してくれた「地元でライ部」代表、甲斐君との出会いは9年近く前に遡る。約4年振りに訪れた水戸での空席だらけのライブに来てくれたお客さんの1人が甲斐君だった。その夜のことは当時のブログに書き残されている。
http://rikuonet.blogspot.jp/2008/09/blog-post_24.html?m=0

そのライブの半年後、甲斐君は水戸でオレのライブを企画してくれて、その後、「もっと地方にリアルな音楽を」との思いで「地元でライ部」を立ち上げ、オレだけでなく、さまざまなツアーミュージシャンのライブを水戸で企画するようになった。昨夜のライブ空間は、「地元でライ部」の長年の積み重ねがあってこそ成り立った、一つの結晶のようなものだ。

昨夜は、感謝の気持ちも込めて、9年前のライブで甲斐君が客席からリクエストしてくれた曲「名前を知らないけれど」を、その日以来9年振りに弾き語った。


誰に頼まれたわけでもなく 今日もメロディ口づさむ
抜け殻みたいな言葉に 何度も息を吹きかけた

じっとしたままで いるなんて
とても出来やしなかったよ だから今

君に会いに来た 名前も知らないけれど

誰に頼まれたわけでもなく 今日もリズムを打ち鳴らす
東へ西へとかけ回り 余計なマネをくり返す

乾いているから濡れたいよ
翼はないけど飛びたいな だから今

君に会いに来た 名前も知らないけれど 

ー「名前も知らないけれど」より

その言葉とメロディーは、今の自分にもリアルに響いた。20数年前の自分と今の自分が重なった。
今も当時と変わらず、もがいているなあ、「もんもん」を抱えているなあと実感した。「もんもん」を燃料にしたり、ネタにして笑い飛ばす術は、当時よりは身についたかもしれないけれど、抱えている「もんもん」は今もそんなに変わらない気がする。
その思いを歌に変え、ライブで昇華させ、それを受け止めてくれる人がいるお陰で、自分は救われてきたし、どうにかここまでやってこれた。

昨夜のお客さんの中には、甲斐くん以外にも、9年前の水戸ライブに来てくれていたご夫婦がおられて、感慨深かった。あの日のライブがなければ、昨夜のライブも存在しなかった。
誇らしい夜だった。
これからも「もんもん」を糧に「リアル」を積み重ね、軽やかに方々うろつき回ってやろうと思う。

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