2026年6月16日火曜日

ニューヨークの友部正人さんと由美さん ー 映画『遠来』を観て

昨日、東京から京都の自宅へ帰る前に、キャリーバッグを転がしたまま京都シネマへ向かい、約10年前にニューヨークで暮らしていたシンガー・ソング・ライターで詩人の友部正人さんと、写真家であり友部さんのプロデューサーでもある奥さんの由美さんを描いたドキュメンタリー映画『遠来』を観てきた。

とても良かった。

何より良かったのは、公園や街中、部屋で、音響に頼らず生音で弾き語る友部さんの姿が実に見事に捉えられていたことだ。画面を通じて、友部さんのフォークシンガーとして魅力、その年代ならではの瑞々しさが真っ直ぐに伝わってきた。

編集も素晴らしく、伊勢真一監督の友部さんへの深いリスペクトが十分に感じられた。

映像を担当した伊勢監督の息子さん、伊勢朋矢氏による、スタイリッシュになり過ぎない、モダンで臨場感のあるカメラワークも印象に残った。

部屋や公園、街なかで歌い、朗読する友部さんを捉える長回しのカメラは、まるで友部さんとセッションしているかのようで、映像そのものが生き生きとしていた。カメラのアップにも動じない友部さんの表情も、その人柄をよく映し出していた。

友部さん、由美さんと長年お付き合いさせてもらっている者としては、ニューヨークまで2人を訪ねることが一度も叶わなかったので、そこで暮らす友部さんと由美さん、マラソンを走る友部さん、そしてそれを応援する由美さんの姿を初めて見ることができて嬉しかった。

映画を観ながら、「2人はニューヨークで再婚したんだなあ」と思った。

写真家であり、友部さんのプロデューサーでもある由美さんの存在が、作品の中にしっかりと刻まれていたことも嬉しかった。

上映後には、伊勢監督と、京都在住で友部さんと同世代のシンガー・ソング・ライター、豊田勇造さんによるトークショーがあった。お2人にも久しぶりにお会いし、話をすることができた。

勇造さんが弾き語ってくれた「友部君」も、とても良かった。

映画を通して、友部さんがこの時代を生きる自分達に、多くを語りかけ、問いかけているような気がした。その言葉や歌は、映画の撮影が始まった10年前よりも、さらに重みとリアリティを増しているように思えた。

映画を観て、また、友部さん、由美さんに会いたくなった。

ー 2026年6月16日(火)