個人的には、関わりの深い場所ではなかったけれど、長年、地元京都の音楽文化に貢献し続けてきた老舗のライブスポットの一つが、コロナのせいでなくなってしまうのは、やはりショツクだ。
以下は、5月と6月に大阪と東京で共演予定の椎名純平さんのツイート。
「相撲ファンのみなさん、コロナ禍が明けたら両国国技館がなくなっていることを想像してみてください。野球ファンのサッカーファンの皆さん、気づいたらひいきのチームのスタジアムがなくなっていることを想像してください。いま音楽界で起こっているのはそういうことなんです。」
自分のところへも、お世話になっている日本全国のライブスポットから、悲痛な声が届く。今だからこそ余計に、痛みを分かち合うことの大切さを感じる。
音楽業界に限らず、アイデアを出し合い、手を差し伸べあうことで、何とか皆で生きのびたい。
もはや、コロナ禍があと1,2ヶ月で収束するとは思えない。正直、「緊急事態宣言」の期限である5月6日以降にブッキングされているライブの開催も、しばらくは難しいだろうと覚悟している。
年内中ライブができなくなることだって、想定しておいた方がいいのかもしれない。
悲観しすぎるのも良くないけれど、この状況での楽観が、前向きな姿勢とは思えない。
光は闇の中にある。
3.11直後にも感じていたことだ。
現実を受け入れて、この先を見据えたい。
NHK番組・ETV特集「緊急対談 パンデミックが変える世界〜海外の知性が語る展望〜」の中で、フランスの経済学者・思想家のジャック・アタリが、ポジティビズム(実証主義)とオプティズム(楽観主義)について、こう語っていた。
「ポジティビズムとオプティズムは違う。
例えば、観客として試合を見ながら『自分のチームが勝ちそうだな』と考えるのが楽観主義。
一方、ポジティビズムは、自らが試合に参加し、『うまくプレイできれば、この試合に勝てるぞ』と考えること。
自分は人類全てがこの試合(新型コロナとの戦い)に勝てると思っている。
自分達の安全のために最善を尽くし、世界規模で経済を変革させていくことができれば、きっと勝てるだろう。」
アタリは、自己の利益よりも他者の利益を優先する利他主義についても、こう語っていてる。
「利他主義とは、合理的利他主義に他ならない。
自らが感染の脅威にさらされないためには、他人の感染を確実に防ぐ必要がある。
利他的であることは、ひいては自分の利益となる。
また、他の国々が感染していないことも、自国の利益となる。
例えば、日本の場合も世界の国々が栄えていれば市場拡大し、長期的に見ると国益につながる。
利他主義とは、最も合理的で自己中心的な行動。」
ポジティビズムと合理的利他主義を意識しながら、日々を過ごしたいと思う。
まわりを見れば、既に、そういった態度に基づく良い兆しが方々で感じられる。この状況下で見出した希望は、持続可能な未来につながるはずだ。
ー 2020年4月20日(月)
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