レコーディング前日に、吉祥寺でジョン.レノンとオノ.ヨーコのドキュメンタリー映画「Love Peace」を観る。
映画を観ながらジョンとヨーコはKYだなと思った。否定的な意味ではなく、肯定的な意味である。空気を読むどころか、ぶっ壊しながら前に進んでゆく破壊
力、バイタリティーがすごい、素晴らしいと感じたのだ。KYを気にする世の中に、枠からはみ出るようなスケールの大きな人物はなかなか登場しにくいかもし
れない。
それにしても、ジョンの歌詞はすごい。ポップスの枠を軽く超えていながら、曲はものすごくポップである。“イマジン”なんて、ものすごく過激な歌詞だと思う。しかし、あの美しいメロディーで歌われると、すんなりと言葉が入ってくる。
イマジンのなかでジョンは“天国はない”と断言しているわけではなく、“天国のない世界を想像してみよう”と提案している点が重要だと思う。答や物語を人
にゆだねるのではなく、想像力と感性を鍛えて、自らの力で物語を紡いでゆくことの大切さを、ジョンは伝えたかったのではないかと思うのだ。
ジョンは本当にあの世の存在を信じていなかったのか?神を感じることはなかったのか?ジョンの神の定義とは?そんなことを考えた。
“自分にとっての宗教とは問い続けることだ”と語った牧師さんがいるそうだけれど、そうであるならば、その牧師さんとジョン.レノンは、そんな離れた場所にいるわけではないのかもしれない。
例えば、自分はここ数年流行のスピリチャルカウンセリングに対しては、物語を相手にゆだねよう、与えてもらおうとする受け手側に姿勢の方に、より違和感を
抱く。今度は、あんなものはでたらめだというバッシングが強まり、そちらの方へ人々が一斉に流されていったりするのだろうけれど、それで問題の本質が解決
されたことにはならないと思う。
ジョンの才能は、ヨーコとの出会いがなければ、あそこまで開花しなかったんだろうなと、映画をみてあらためて感じた。
0 件のコメント:
コメントを投稿