水戸市 ガールトーク
水戸を訪れるのも随分と久し振り。ガールトークは4年振りくらいかな。
ライブ前に空席だらけの会場を見渡してがっかりした。しかし、こういう時のライブって、すごく大事なのだ。気分を切りかえ、決意を持ってピアノの前に座った。
与えられた状況を受け入れて演奏することができたと思う。記憶に残る夜になった。だからライブは面白い。
ライブ後半でお客さんからリクエストがあった。瞬間、その曲を歌ってみようかと思ったのだが、いかんせん14、5年くらい前に作ったナンバーで、随分と長い間歌っていなかったから歌詞もところどころ忘れてしまっていた。さて、どうしようか。
たまたま、その曲が先月発売されたばかりのベスト盤に入っていて、この日の物販で売られていたので、リクエストしてくれたお客さんに「あなたがそのCDを
今購入してパッケージの封を開け、歌詞カードを取り出してオレに見せてくれたら演奏する」旨を伝える。お客さんはこちらの提案に同意してくれた。
誰に頼まれたわけでもなく今日もメロディー口ずさむ
東へ西へとかけずり回り余計なまねを繰り返す
こんな歌い出しの曲である。なんだか切な過ぎて長年歌うのを避けてきたのだが、この時は歌うに充分な必然性があるように感じた。
この日自分とお客さんの間に何か特別な絆が生まれたように感じていたので、ライブ後に自分から客席に出向き、残っていたお客さんに挨拶をした。その中に、
自分が水戸に来たときには毎回観に来てくれているという夫婦と思われるカップルがいた。2人と話していると清志郎さんと共作した「胸が痛いよ」という曲が
好きだという。別にリクエストされたわけでもないのだが、もう一度ピアノの前に戻ってその曲を歌わせてもらった。もちろん、こういうことは普段はやらな
い。アルコールが回り過ぎたせいもあったのだろうけれど、自分にとってはそれくらい特別な夜だったのだ。
お客さんはライブが終わっても
余韻を楽しんでくれているようで、皆なかなか帰ろうとしなかったので、自分の方がお客さんよりも先に会場を後にした。お店には裏口がないので、客席を通っ
て店を出た。その際、残っていたお客さんが皆、拍手でオレを送り出してくれた。少し、恥ずかしかった。
自分には地位も名誉もない。けれど、だからこそ、リアルな瞬間を積み重ねることが自分のすべてであり、誇りである。
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