京都 磔磔
「リクオ&ピアノ」~夏の里帰りライブ~
この日の湘南は、湿度が低く、空が澄んでいて、吹く風がさわやかだった。真夏に、秋の気配さえ感じた。
が、京都の気候は全く違っていた。京都駅のプラットホームに降り立った瞬間、むあ~っとした熱気に包まれた。秋の気配など微塵も感じられない蒸し暑さ。これぞ故郷京都の夏。
この日のライブ会場、磔磔は、オープンしたのが1974年。京都のみならず日本のライブハウスの老舗と言ってもよい歴史のあるお店。
自分は、大学を卒業してCDデビューするまでの間、このお店でアルバイトをさせてもらっていた。ネヴィルブラザーズ、デビィッド.リンドレー、アルバー
ト.キング、バックウィート.ザディコ、シュガー.ブルー、ボ.ディドリー、ウイルコ.ジョンソン、ジョアン.ボスコ、スクリーミング.ジェイ.ホーキン
ス
、エーモス.ギャレット、ダグ.サーム、ダーティー.ダズン.ブラス.バンド、デヴィット.ティー.ウォーカー、ジェームス.ギャドソン、ボ.ガンボス、
有山じゅんじ、憂歌団、山口富士夫、ダウンホームスペシャルetc.この場所でホントに素晴らしいライブをたくさん体験させてもらった。
今でも磔磔のドアを開ける時は、少しドキドキする。磔磔は、自分にとって帰ってくる場所であると同時に、いまだに憧れの場所でもあるのだ。
この日の開場前のリハーサル時間は、自分にしては随分と長くなった。磔の磁場の強さ、音の良さにインスパイアされ、リハーサル途中から、やりたい曲や新
しいアレンジが色々と思い浮かんできてしまい、なかなか終わらせることができなくなってしまったのだ。リハーサルでこんなにときめいて調子に乗るなんて、
あまりないことだ。
磔磔で弾き語りワンマンをやるのは随分と久し振りだった。そのせいなのか、とても新鮮な気持ちで演奏することができた。集まってくれたお客さんからも、たくさんの力を受け取った。理想的にエネルギーが循環したように思う。
アンコール最後の3曲は、清志郎さんバージョンの「イマジン」「デイドリームビリーバー」と続けて、有山じゅんじさんの「ウーララ」で締めた。
この日のアンコールがこんな選曲になるなんて、磔磔に来るまではちっとも考えていなかった。
磔磔ならではの、思い入れたっぷりのライブになった。さまざまな繋がりの中で、今の自分が存在していることを、ステージ上で、はっきりと実感できた。
お盆直前という時期が、この日のライブに与えた影響も大きかったかもしれない。あちらの世界とも繋がっているという感覚がいつもより強かったように思う。
「精神のリレーは死んだ人とリレーをやっている。精神を共有してリレーして、それをつなげなきゃ誰かに。」ー埴谷雄高。
故郷でこういうライブができて嬉しい。
明日からは盆休み休暇。ゆっくりと骨休めする予定。
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