ツアーから戻ってから雑事に追われて心の余裕がない。一つ一つ丁寧にやってゆこうと自分に言い聞かせるのだが、気が焦って、なかなか一つのことに心静かに集中することができない。こんな頭でっかちでは、曲もできん。アイデアやテーマはいろいろあるのに。
そんな心持ちのとき、久し振りに田口ランディさんのブログ「いま、伝えたいこと」を読んで、身につまされつつも、少し救われた気分になった。印象に残った文章の一部を以下に抜粋。
人はその人としてそこに存在しているだけで、どれくらいの影響力をもっているのかを、自分では気づけない存在だ。それは私も同じで、私自身の「とるにたらなさ」に日々落ち込み、日によっては有頂天になり、日によっては無力感に嘖まれてしまったりする。(中略)
そうやって人は、落ち込んだり悩んだりしながら、修羅を曝すことで実は他者を救っている菩薩のような存在なのだが、そんなことにもまったく気づかないで、ふがいない自分に苦しみながら、生きている。このごろは、それはなんて哀しい美しいことなんだろうと、思われてしょうがない。
2014年 04月 09日生きる愛しさ ダイアローグ研究会の夜
http://runday.exblog.jp/21972585/
日々のことすべてに集中できることを、悟りをひらいた人と呼ぶのかもしれない。そういう人はどこにでもいるだろう。なにげなくいるだろう。そして、ささやかに世の中を照らしていると思う。その人を見れば、誰でも、気持ちよいはずだから。
そういう人になりたいなあと思うのだけれど、まったく、ぜんぜん遠くて、いつも焦っていてとにかく早くやらなくちゃ、そしてやりながらもう次のこと別のこと終ったことを考えていて、あっちこっち、物事をやり散らかしながら、時折ぼんやりし、ふてくされ、ささくれだち、淋しくなったり、うれしくなったりしながら、ああ、忙しいとか呟いているのが現状なのである。
2014年 03月 14日「日々の悟り」
http://runday.exblog.jp/21825869/
どこかで「こんなこと続けても無駄なんじゃないか」という、魔の声が響いている。なんのために、誰のために、場を創ろうとしているのか。自分のなかの軸がわからなくなっている。
一緒に動いてくれる仲間がいるので、なんとか続けているが、一人では到底、無理だろう。私は焦っていると思う。とても強く、苛立っている。この状況に。たぶん。そして怒っている。対話なんかすっとばして、力と数でこの状況を変えたいと願う自分もいるのだ。そのほうがてっとり早いし、すかっとする。そういう自分の中の衝動を抑えつけて「対話」などと言っても、自分に自分が食われていく。だから、仏教に静けさを求めているのだろう。自分の修羅を静めたいからだ。
そんな時、いつも思い出すのは気功の師である新渡戸道子先生の言葉だ。
「田口さん、ゆっくりは怖くない。怖いのは止めてしまうことよ」
ゆっくりは怖くない。
呪文のように繰り返している。
ゆっくりは怖くない。
怖いのは止めてしまうこと。
2014年 03月 13日「3月11日が過ぎて」
http://runday.exblog.jp/21820668/
なんだか今の自分にタイムリーな言葉ばかりの気がした。
特に「そうやって人は、落ち込んだり悩んだりしながら、修羅を曝すことで実は他者を救っている」という1文が心に残ったというか、引っかかった。
「修羅を曝す」かあ。やってきたかなあ。多分、人並みには落ち込んだり悩んだりしてると思うし、自分の醜い部分も知ってるけど、どこまで曝してきたかなあ。
もし、これからブログを再開して、そこそこコンスタントに更新するとしたら、このへんがテーマの一つになるのかあと思ったり。曝したい気持ちがなくはないのだが、「曝し方」がようわからんかったり。
今の自分は、わりと頻繁に有頂天になる一方で、時々自身の「とるにたらなさ」に落ち込み、ツアー戻りの数日後には無力感に嘖まれたかと思うと、わりと早くに復活して、また物事をやり散らかしつつ、時折ぼんやりし、「やっぱ、むだなんじゃないか」と空しくなったり、淋しくなったり、で、また復活して、性懲りもなくやり散らかして、ああ、忙しいと独りごとをぼやき、力と数を求めて空回り気味に焦っているという、つまり、ランディさんのブログに書かれている姿は、自分の今の姿とよく重なるのだ。
とりあえず、自分の目の前の不安は、バンドで回る博多、名古屋、大阪、渋谷のレコ発ツアーやな。お客さん来てくれるかなあ。これが心配。集大成なんやけどな。だいぶ現実的な不安です。状況もっと変えたいなあ。つまり力と数を求めて焦ってるってことか。こういうことの繰り返し。
「ゆっくりは怖くない。」はずだが、そうも言っとれん状況もあり。でも腹を据え、腰を据えんと、うまくいかん。東北ツアーもあるし、まだしばらくはノンストップ。とりあえず、6月3日(火)渋谷・伝承ホールで一区切り。
「修羅を曝す」かあ。ちょっと大げさかな。
とにかく、悩んで、学んで、心鎮めて、歌って、弾いて、叩いて、語って、飲んで、笑って、騒いで、寂しくなって、いろいろ巡って、おもしろおかしくやるよー。
多分また近々。
2014年5月11日
色々、考え、悩んで「おられるのですね。でも同じように悩んでいる人たくさんいると思います。私も、不安、悩みありますが、リクオさんの音楽で、癒されたり、楽しんだりしています。たくさんの人にリクオさんのこともっと知ってもらいたいな~
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