石垣島から早朝の便に搭乗し、朝9時には宮古島に到着。
宿泊先で電動自転車を借り、午前中から島をぶらつく。
街なかのあちこちで、今夜のビッグチーフでの自分のライブを告知するポスターを見かけた。離島の小さなコミュニティーだからこそ、有効な告知方法なんだと思う。
ビッグチーフの渡邊夫妻が各店舗にポスター掲示をお願いしている姿が思い浮かんだ。自分が島に受け入れられているような気分にもなった。
地域コミュニティーを介した、こうした地道な告知活動によって、昨夜のライブが成り立っていたのだ。
自分の弾き語りソロライブでは、お客さんのリアクションによって曲のアレンジが大幅に変わることがある。特に、ステージと客席の段差や隔たりを感じない50人キャパ以下の小規模な飲食店では、そうした状態が起こりやすい。昨夜のライブが、まさにそんな感じだった。
ライブ後半は、歌い手と聴き手という関係が崩れ、曲によっては客席の歌声の方が大きくなるほどで、まるで歌声喫茶状態(例えが古くてスンマセン)。
こういう酒場ライブでは、さまざまなハプニングが起こりやすい。それをどこまで受け入れるかは、自分次第だったりする。
2部の中盤で「はかめき」という曲を演奏し始めた時のこと。ずっと盛り上がり続けていた酔客が、客席最前列のさらに前、至近距離まで移動してきて、体育座りでこちらの演奏を食い入るように見つめ始めた。
その時点で「なんかやらかしそうやな」という予感がしていて、案の定、彼は動いた。
長いループが続く曲の後奏が始まると、その酔客は立ち上がり、いきなりフリースタイルラップを始めた。
出だしはイケてる感じだった。一瞬、面白いセッションになるかと期待したけれど、だんだんグダグダになり、一緒に来ていたのであろう連れ合いに手を引かれて客席奥へと退場していった。
そんなことがありつつも、曲は無事にエンディングへと着地。
曲を壊されたような気持ちにはまったくならなかった。むしろワクワクした。
彼の高揚や一瞬の輝きはこちらにも伝わってきたし、恐らくほとんどのお客さんも、このハプニングを受け入れてくれていたように思う。そういう場であり、そういう関係性のライブだったのだ。
相互作用に至るプロセスと、ハプニングというドキュメンタリーを共有するという意味で、最上の夜だったと思う。
ありがとう、また。
ー 2026年5月30日(土)
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