2007年4月6日金曜日

ぼちぼちいこか

三重県桑名市 FORUM
 桑名は2年振りくらいかな。フォーラムのH君が桑名駅まで迎えに来てくれる。痩せて顔が小さくなっていた。話を聞くと、声は明るいのだけれど、ちょっとつらい時期のよう。
 店内でH君の様子をみていると、本当によく気付いて、よく動く。でもちと頑張り過ぎやなあ。H君は、力の抜き方がわからないと言う。まあすぐにできることと違うわなあ。
  ライブのオープニングでピアノの弾き語りを聴かせてくれた戸本亮太君と知り合ったのが、多分もう8年くらい前。彼も今や1児のパパである。曲もパフォーマ ンスも装飾が抜けて、随分素直になった感じ。「大人になるということは、今の自分自身を受け入れ、折り合いをつけながらも、目や耳を塞がずに、前向きに生 きてゆく方法を身につけることなのかもしれない」戸本君の演奏を聴きながらそんなことを思ったりした。
 フォーラムは元々四日市にあったお店で、 2年程前に桑名に引っ越して来たのだが、前のフォーラムに置いてあったグランドピアノは四日市に置きざりにされていた。最近、やっとそのピアノが桑名に運 ばれてきて、この日は客席の真ん中に置かれて、お客さんを囲むような形での演奏になった。
 四方を囲まれてのライブというのは、めずらしい。目線をどうするべきか戸惑うところもあったけれど、雰囲気はよかった。 
 「はかめき」という曲をリハで演奏していたら、H君がえらく気に入って、ぜひ本番でもやってほしいとのころだったので、アンコールで演奏。一人でこの曲を演奏したのは初めて。
  「はかめき」に素早く反応したH君の感性に、信頼感と同時に少し不安のようなものも感じた。「完璧な美しさの先にある死に対する憧れと畏れ」が自分にあの 歌を作らせたように思う。桜の美しさは危険だ。自分はこの時期になると心が不安定になりがちなのだが、H君もそうなのかもしれない。
 桜の美しさに惹かれながらも、同じ時期に桜よりもしぶとく咲き続け、桜よりも醜く朽ちてゆく木蓮の花に共感したりもする自分がいる。方向の違ういくつのも思いを併せ持ちながら、微妙なバランスを保って、なんとか面白おかしくやっていけたらと思う。
 しゃーないこともあるよ。ぼちぼち行こか。

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