2008年2月2日土曜日

録音スタジオから下諏訪へ

長野県下諏訪「御湖鶴」 
ICE CANDLE NIGHT SPECIAL LIVE
 レコーディングの余韻を残しながらJRで長野県下諏訪へ。車中、先日まで行っていたベーシック録りの音源をi-podで聴き続ける。いや~、かなりええんちゃう。
 本日は造り酒屋さんでのライブ。地元のイベンター、グッドニュースの木下さん、北原さんと久し振りの再会。
 お店には昭和40年頃に生産されたヤマハのグランドピアノがあって、それを弾かせてもらう。今とは使っている木が違うのだろう。実によく響く。
 お客さんもオレも「御湖鶴」で造られた日本酒をいただきながらのリラックスしたライブ。美味しかったなあ。レコーディングしたばかりの新曲を数曲演奏。
 諏訪の冬はとても寒くて、氷点下10度くらいまで下がることもざら。地元の人に言わせると、この日は暖かい方だと言うことだったけれど、日が暮れてから雪が振り出し大雪になった。
  この日は隣町の茅野市でくるみというライブ喫茶をやっている小池さん一家のところに泊めてもらう予定だったのだが、茅野に移動する前に、末っ子のコータ ロー君が知り合いのホームパーティーに参加しているというので、下諏訪での打ち上げの後に合流させてもらう。大雪の中、林道を30分程走って、標高千メー トルを超える山中の1軒家に到着。そんな場所に地元の音楽好き、イベント好きの若者が20数人集まってパーティーを楽しんでいた。
 集まった若者 達は、全員で多いに盛り上がるという様子でもなく、それぞれがマイペースに好きに時間を過ごしているという感じ。隣の部屋でなんとなくセッションが始まっ て、なんとなくその音を聴きながら、体を揺らす者もいるし、気にせずにずっとおしゃべりを続けている者もいる。ライブハウスよりもどちらかというとクラブ 乗り。
 1年半振りに再会したコータロー君は、木こりになっていた。彼が林業に従事するまでの経緯を、色々と聞かせてもらったのだけれど、その話は示唆に富んでいてとても興味深かった。
  木を切って山の環境を整えることが、山だけでなく、川や海の浄化にもつながってゆく。大切な仲間達と一緒に、そういう"繋がり”を感じながら仕事できるこ とが彼に充実感を与えているようだ。コータロー君にとって、音楽をやることも、木を切ることも、どちらも小さくて大きなサークルの中に、自分なりのやり方 で参加してゆくことの一環なのだろう。この話は連載しているコラムでもそのうち書かせてもらおうと思う。
 コータロー君から、山の音、木の音を一 度聴きに来てほしいと言われる。コータロー君や彼の回りの仲間を見ていると、暮らしの中に音楽がある、暮らしと共に音楽がある、という様子がうかがえる。 その感覚は、奄美や沖縄に行って、地元の人達の音楽との関わり方に触れた時の感覚に近いように思った。
 憧れとか、自己実現とか、自分探しとか、成り上がりとか、金儲けとか、そういう言葉達とは遠いところで音楽と付き合う世代が各地で育ってきている気がする。
★ライブ会場の御湖鶴さん
★ホームパーティーにて

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