函館「喫茶 想苑」
「THE HOBO JUNGLE TOUR 2008」
【出演】山口 洋(HEAT WAVE)&リクオ
この日も快晴。梅雨しらずの北海道である。
旭川を訪れるのは多分6、7年振り。駅が変わったなあ。
今回のライブの主催者である浜野君夫妻が駅まで迎えに来てくれる。車中、街の景色を見やりながらライブ会場へ。
車は函館山の麓、函館公園の前で停車。この日のライブ会場「想苑」を訪れるのはオレも山口も初めて。実に品のある、落ち着いた雰囲気のジャス喫茶。店は
オープンして50年近いそう。現在のマスターは、元々「想苑」に通うジャズ好きのお客さんだったそうで、店をオープンさせたママさんの娘さんと結婚して、
店を継いだそう。物静かだけれど、内に強いこだわりを持つ人だとの印象。
「想苑」にあるグランドピアノは、鳴りが良く、艶っぽい音色で、実に弾き甲斐があった。きっとたくさんのピアノニストに愛されてきたんだろう。あまりにも良く鳴るので、この日はピアノにマイクを一切立てないことにした。
「生音に勝るよい音はない」ということを実感させられるライブだった。
山口は、音の響き、リズム、会場の雰囲気、お客さんの反応、すべてにあまりにも敏感である。その敏感さが、彼の集中力を時々乱す一方で、ものすごい集中力をもたらすこともある。
この2日間、彼のセンサーは、さまざまな方向に、より敏感に反応し、ときどき彼自身を困らせているようにも見えた。
お客さんが固唾を飲んで見守る次の瞬間に、切り裂くようなギターが客席を打ち抜く。そして、今度は繊細で柔らかいギターが会場を包む。緊張と開放のダイナミズム。わがままでありながら、心と音は共鳴を求めている。
ライブの後、函館山の頂上から街の景色を見下ろす。無数の街の灯りに見とれる。
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