「セツナグルーヴ2011」
場所:渋谷 BYG 【サポートメンバー】寺岡信芳(b)/朝倉真司(perc.)/安宅浩司(g.)
【ゲスト】 梅津和時(sax他)
この日のライブを迎えるにあたって、やりたいこと、やりたい曲がたくさんあった。昨年から新曲を書きためていたし、頭の中では新しいサウンドの構想がかなり固まってきていて、早く形にしたくてうずうずしていたのだ。
自分は時代によって、さまざまな音楽的変化を経てきたけれど、ここへきて、色んな時代の自分の音楽性が違和感なく繋がり始めてきている気がする。昨年末
の20周年イベント「ホーボー・コネクション」を経て、より一層その感覚が強まった。音楽面に限らず、いろんな自分を受け入れらるれるようになってきたの
かもしれない。
数日前に完成させた最新曲「アイノカタチ」は、46歳になった現在の心情を、曲作りを始めたばかりの頃の自分が持っていた素朴さ、素直さを通して、今だ
からこそ使える言葉とメロディーで歌にできた、というような手応えがある。短くてシンプルな曲なのだけれど、この曲ができたことは、これからの創作活動の
一つのきっかけになるかもしれない。
今回のライブに、サポートギタリストとして新たに安宅浩司君が参加してくれたこと、ゲストとして、自分のデビュー当時のプロデューサーであり、サックス奏者である梅津和時さんが参加してくれたことは、すごくタイムリーだった。
安宅君のギターとペデルスティールが加わることで、バンドサウンドにより、奥行きとひろがりが出た。我を押さえて、歌に寄り添い、歌を支えること、邪念
を捨てて、ただ最高の音楽のためだけにプレイする、一音を大切に音を立体的にとらえて柔らかく響かせる、安宅君はそういう姿勢とスキルを持った演奏者だと
思う。
梅津さんはこの日も歌心あふれる弾けた演奏を聴かせてくれた。情感に満ちて、色っぽくて、そして軽やか。
とにかく収穫の多いライブだった。新しいアレンジ、新曲のそれぞれに手応えを感じた。お客さんの盛り上がりも素晴らしかった。
自分にとってBYGは東京でのホームという意識がある。この場所だと進行形のステージができる、新しい何かを生み出すことができる。今年は昨年よりもBYGでのライブ数を増やして、毎回、色んなことを試してみるつもり。
そろそろ新しいアルバムの制作にもとりかかろうと思う。
カットマン・ブーチェを解散したばかりのウリョンくん、ソウルフラワーの高木克ちゃん、ゴメス・ザ・ヒットマンの山田君ら、多くの知り合いが遊びに来て
くれて、打ち上げにも合流してくれた。打ち上げが賑やかで、皆が楽しそうにしてくれていると嬉しくなる。夜が明ける迄飲んで語り合う。
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