2010年5月5日水曜日

18年前の中学生が

名古屋市 今池 valentine drive 
 本日も快晴。日中は汗ばむくらい。
 新幹線には乗らず、神戸から在来線でのんびりと名古屋に向かう。途中、米原で乗り換えなければいけなかったのに、寝過ごしてして通過してしまう。次の駅の坂田に着いた時に目覚め、慌てて下車。無人駅にぽつんと一人残されてしまった。
 けれど、気候も良く、回りの田園風景にも心が和み、時間にもまだ余裕があったので、まあいいかという気になり、のんびり次の電車が来るのを待つ。

 この日のライブ会場、valentine driveは、オープンしてまだ5ヶ月。けれど、30年前から営業していたジャズバーだった場所を引き継いで、それほど大掛かりなリフォームもしていない ので、見た感じ、新しい店とは思えない趣と味わいが感じられた。
 マスターの野村君とスタッフの近藤君は、まだお店がオープンする前の去年、土岐市での自分のライブにわざわざ足を運んでくれて、出演を直談判してくれた。まさにダイレクトなフェイス.トゥ.フェイスの繋がりでこの日のライブが実現したわけだ。
 野村君がオレの存在を知ったのは中学生の頃だそう。今から18年前、小室等さんがパーソナリティーをしていた名古屋ローカルのテレビ番組に、吉田拓郎さ んと共にゲスト出演させてもらい、番組内で2曲程弾き語りさせてもらったことがあったのだけれど、彼はその時の番組を観ていたのだそう。自分に興味を持っ てくれた中学生が、18年後にお店を持って、ライブを企画してくれるなんて、ミュージシャン冥利に尽きる。

 valentine driveでプロのライブが企画されるのはこの日始めてということで、リハーサルの段取りなど、まだ慣れていない様子だった。そんな折、すぐ近くのライブ ハウス、得三のマスター、森田さんが様子を観に来てくれた。オープン間もないvalentine driveを少しでもサポートしようという心遣いなのだ。
 森田さんはリハーサルの様子を見て、オレが希望したシュア57のマイクが店にないと知ると、わざわざ得三までそれを取りに戻ってくれて、マイクと一緒に PAエンジニアのウスイ氏まで連れて来てくれた。こういうお店同士のリレーションがあるのは素晴らしいと思う。森田さんの人柄にあらためて敬意を持った。

 この夜のライブはお客さん参加型の典型的な酒場ライブになった。前半から多いに盛り上がって、1部の最後の曲を歌い出して間もなくした頃、客席から強烈 な嗚咽が聴こえ始めた。その声の主は、さっきまでやんやと盛り上がっていた女性客だった。なんとまあ振り幅の広いリアクション。自分のライブでここまで大 声で豪快に泣いた人ははじめてやなあ。
 笑いあり、涙ありの解放空間だった。

 この日は、上原ユカリさんが、たまたま元ダイナマイツ瀬川洋さんのライブで得三に来ていたので、ライブ後に得三に出向いて合流させてもらう。ユカリさん は、古くは村八分やシュガーベイブ、沢田研二&エキゾチックス、忌野清志郎&ラフィー.タフィーなどで70年代から活動してきた日本が誇るべき素晴らしい ドラマー。実は、ユカリさんとは現在ご近所さん。そういう縁もあって、湘南に引っ越して以来、何度もセッションさせてもらっている。
 70年代の福生暮らしの話、山下達郎さんの話、ここではちょっと書けない話など、この日も貴重な話をたくさん聞かせてもらった。

 名古屋の夜は長い。朝の5時まで盛り上がる。

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