名古屋 TOKUZO(得三)
「MAGICAL CHAIN CARAVAN」
【出演】ウルフルケイスケ&リクオ
サポート:朝倉真司(パーカッション)
この日の名古屋公演から朝ちゃんがツアーに参加。
結論から言うと、朝ちゃんを今回のツアーに誘ったのは大正解だった。
彼の参加で、ロックンロールが生まれた頃の、あのはねる乗り、横乗りのスイングする感じが、より豊かに表現できるようになった。全体に曲のテンポが少し落ちて、演奏の乗りがより大きくなり、グルーヴが増した。
朝ちゃんのオープンでポジティブな空気感は、ケイヤンのかもし出す空気感、姿勢と共通していて、色んな部分で、2人の相性はとてもいい。我を主張せずともキャラが立っているところも2人は似ているなあと思った。
芸術家とかミュージシャンと呼ばれる人種は、傲慢だったり横柄な部分を持った人が多い。自分の中にもそういう部分がある。
ある種の思い込み、独りよがりが、そういった姿勢、幼児性を維持させると同時に、振り切った表現に向かわせる一つの原動力にもなっているのだろう。
ケイヤンと朝ちゃんの2人からは、そういった傲慢さ、幼児性を感じない。そこが自分にとってはとても楽で、救われる。特にこの時期は。
自分は2人のことを音楽家としてだけでなく、人として尊敬している。その2人の人柄は音楽に充分表れていて、それが芸術であろうがなかろうが、先鋭であろうがなかろうが、そんなことは関係なく、多くの人達に笑顔と解放をもたらしている。
思えば、自分は学生時代から回りに「非常識だ」「無神経だ」と言われたりして、自分で気付かないうちに色んな人達を傷つけてきて、それを自分でよしとし
てきたところがあるのだけれど、この期に及んで、「せめて自分の無神経さを自覚して、ナルシシズムに酔いしれるような人間にはならないようにしよう」と思
う。そして、表現者としてのあり方と人としてのあり方の間で、葛藤し続けた上で、自己を肯定し、音を奏でられたらと思うのだ。
今、ケイヤンや朝ちゃんと一緒にツアーを回ることは、自分にとって、タイムリーだと思える。
この日のライブを通して、名古屋のお客さんも笑顔とリラックスに飢えていたんだなと感じた。
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