2008年6月5日木曜日

大阪で思い出話

 BYGで始発まで飲んで騒いで、そのまま寝ずに6時の新幹線に乗り大阪へ。さすがにきつい。新大阪に着いた頃に、携帯が鳴り、この日の大阪イベント、「100万人のキャンドルナイト」が、雨のため、明日に延期になったことを知らされる。まあ、体きつかったからええか。
 夜はチェロの歩ちゃん、カフェ.マーサの片平夫妻と合流して焼き鳥屋へ。片平夫妻とは学生時代からの付き合いで、夫の片平とは同じ大学で一緒にバンドをやっていた仲。
 この日は、学生時代の思い出話で盛り上がる。小説のネタになるような面白い話がたくさん。あの当時の出会い、体験は自分の宝だ。傷つけ合ったことも多かったけれど、他者との出会いのなかで、自分の中のワイルドネスを開放できたこと、弾けられたことで、すごく救われた。

2008年6月4日水曜日

うたの日で朝まで

「東京うたの日コンサート」
【場所】渋谷 SHIBUYA-AX
【出演】リクオBAND(B:寺岡信芳/Dr:坂田学/Vc橋本 歩/Vn:阿部美緒)/BEGIN / BLACK BOTTOM BRASS BAND /風味堂/三宅伸治BAND(B、高橋"Jr."知治、Dr、大島賢治)/下地勇 / 山本隆太 / B.Y.G. BIG BAND
 「東京う たの日コンサート」は、自分の東京でのホームグランド渋谷BYGの主催。東京でこのイベントが行われるのも今年で3回目。元々は沖縄.石垣島出身の BEGINのメンバーが、6月24日を「うたの日」としてそれをお祝いすること旨に2001年沖縄で始めたことがきっかけになり、その趣旨に共感、賛同し た人達が自分達の街でも「うたの日コンサート」を開催するようになった。
 自分がAXのステージに立つのは、今回が始めてだった。バンドスタイルでのぞみ、シングル「アイノウタ」のプロモーションビデオの撮影用に6台のカメラを持ち込んだ。
 千人キャパの会場にしては、お客さんがとても近く感じられた。天井が高く、ステージはひろく、音の抜けがよく、拍手がたくさんで、開放感があって、実に気持ちよかった。
  他の出演者のステージもなるべく観るようにした。お客さんは、すべての出演者のパフォーマンスを楽しんでいるように見えた。とても暖かくてピースフルな空 間。その場所に自分がいる居心地のよさと少しの違和感、どちらも自分にとっては大切な感覚。トリをつとめたBEGINの栄昇君を見て、器の大きさを感じ た。
 打ち上げはBYGで。終電で湘南まで帰るかどうか迷っていたのだが、やっぱり盛り上がってしまい、帰れなくなった。バンバンバザールの富や んと黒川君、ブラックボトムブラスバンドの王子らがステージで演奏を始めると、その後、その場にいたミュージシャンがどんどん参加して、延々とセッション が続いた。もちろんオレも参加。楽しかったなあ。
 朝まで飲んで、騒ぎ続ける。あんなに酔って楽しそうな三宅さん始めてみたなあ。

2008年5月31日土曜日

なぜかお坊さんによく会う

北海道北見市常呂町 常楽寺
 午前中、Hさんが月の森に迎えに来てくれて、川湯温泉に連れて行ってくれる。いい湯でした。
 その後、屈斜路湖に寄ったりしながら、美幌峠で、この日のライブの主催者浦西さんと待ち合わせ。
 峠からみた屈斜路湖の景色がまた絶景。
 
 常呂に着いたら、いつものように喫茶店「しゃべりたい」でシーフードカレーをいただいてから、オホーツクの海辺を散歩。今回のツアーの中で一番の快晴。実に心地よい。

 常楽寺でのライブも4回目。開演前に、恒例となっている住職のヒトシさんの説法がある。
  前回の説法のしゃべりだしは「私今大変落ち込んでおります」だった。なんでもライブの日に法事に行くのを忘れてしまったとのこと。そらあかんやろ。今年も ライブ当日に法事があったそうなんだが、なんと、うかがったお宅が、まさに去年忘れてすっぽかしてしまったそのお宅だったそう。そんな話で笑いをとるヒト シさんは相当にくだけた坊さんである。
 この日は、高校生になったばかりで、最近バンドをやりはじめたというPAの外村さんの息子とその仲間の子 等がリハーサルから見学に来ていて、ライブの呼び出し司会もその中の1人の子がやってくれる。ライブには、都市部に比べると、ずっと幅広い年代の人達が集 まる。老若男女の前で演奏できる機会を持てるのが、地方でのライブの醍醐味の一つ。
 前回同様、本堂で阿弥陀如来様をバックに演奏。最近、ソロの 弾き語りのステージで心がけていることの一つは、客席のリアクションを求めすぎないこと。その場を盛り上げる、受けるということに関しては、自分の中でい くつものフォーマットが出来上がっていて、もうそんなに苦労しない。エンターテイナーでありたいとは思うけれど、目先の盛り上がりに左右され過ぎず、さら に深い共鳴を追求したいとの思いが強まっている。この日もそういうことを意識したステージになった。
 本編最後の「アイノウタ」で客席が一気に盛り上がった感じ。それまではお客さんがリアクションできる場面がいつもより少なかったと思うけれど、この方向でもいいと感じた。 
 
  考えてみると、今回の10日間の北海道ツアーの間に、4人もの浄土真宗のお坊さんと会ったことになる。別にこちらが求めて会いに行ったわけでもなく、偶然 なのだが、妙にタイムリーな感じがしなくもない。全く、人の縁とは不思議なもんだ。4人のお坊さんは、くだけていたり、悩んでいたり、それぞれが人間臭く て、親鸞の言うところの悪人と思われる人ばかりで、親しみを感じた。
 この日、打ち上げの席で、酔っぱらったヒトシ住職が「オレも死ぬのが怖いよ~」と情けない感じで言ってたのが印象に残った。だからこそ、問い続けるのだ。

 今回の北海道ツアーは五感が多いに刺激され、妙に内省を促されるような旅になった。
 答はでない。
 少しは心身を休めて、空の時間をつくり、何か形になるのを待とう。この感覚を忘れてしまうのは、もったいない。

 この日、農協で働く地元の人から教えてもらったことで、びっくりしたことがあった。常呂町の食料自給率が2700パーセントだと言うのだ。最初は冗談と思って聞いていたのだが、本当なのだそう。
 気になってネットで各県の食料自給率を調べてみたら、東京の自給率はたった1パーセント。それにに比べて、北海道は200パーセント近い自給率を誇っていた。北海道の時代が来るかも。

2008年5月30日金曜日

廃校ライブ

北海道 虹別 COMFORTABLE SPACE 月の森(旧中虹別小学校)
 釧路から、釧路湿原のど真ん中を走る釧網(せんもう)線に乗って、摩周駅下車。駅まで迎えに来てくれた永井さんらと駅前の定食屋で昼食に豚丼を食べた後、会場入りする前に、車で摩周湖まで連れて行ってもらう。
  摩周湖は火山の中央部が陥落して水がたまることによって生まれた湖で、世界有数の透明度を誇っているそう。「霧の摩周湖」という歌があるくらいに、その景 色がすっぽりと霧に覆われてしまうことが多いそうだけれど、この日は午後から晴れ間が広がりはじめ、実に幻想的で美しい景色を拝むことが出来た。

  この日のライブ会場「月の森」は、酪農地帯のど真ん中、回りは牧草地や森が広がるばかりの相当に辺鄙な場所にあった。元々小学校だったスペースを、この日 のライブの主催者である永井さんが借り受けて、改装を加え、数年前から、イベントスペースとして活用するようになったそうだ。今も外観は、学校そのまま。 色んな場所でライブをやってきたけれど、廃校でのライブははじめて。
 開演前、回りの牧草地をのんびりぶらぶらと散歩していたら、放し飼いにされていた2匹の番犬に吠えられ、追いかけられるはめに。

 陽が沈んだら増々冷えてきて、4度まで気温が下がる。もちろん暖房なしには過ごせない。冬やんけ。
 こんな辺鄙な場所に、人が来るんかいな?と心配していたのだが、開演の頃には、ちゃんと席が埋まった。地元の人だけでなく、隣町や遠方から観に来た人も多かったようだ。ライブは校舎の中の職員室だった場所で行われた。
 演奏していて、自分が童話の世界にいるような、不思議な気分になった。
お客さんは実はみんな狐や狸が人間に化けているんじゃないか?そんなことを妄想したりした。
 
 ライブの後も廃校で打ち上がり、地元の皆さん(主に酪農家)と交流。打ち上げの後は、そのまま月の森に泊めてもらう。
 辺境の異空間で、なんだか夢の中のような時間を過ごした。

2008年5月28日水曜日

五感開放

北海道釧路 喫茶ラルゴ
 一日良く寝たので、疲れがとれる。
 このツアー中、一番の好天気。日中は街を散歩。こちらでもまだ桜が咲いていた。
 釧路で最も印象に残る草花はタンポポである。とにかく街のいたるところで咲いている。去年釧路に来た時に地元の人が「タンポポは寂しげな場所に咲く」と語っていたのが印象に残っている。
 北海道をツアーして各地をぶらついていると、祭りの後のような、寂しげな風景に多く出会う。どうもそういう場所に、自分は惹かれてしまうようだ。

 陽が暮れる頃に、釧路川沿いの遊歩道を、すぐ近くの海に向かって歩く。
とても美しい夕陽を見た。

 ラルゴの豊川君は、声も小さくて一見大人しいイメージなのだが、その実、とてもハートの熱い男だ。彼の熱意が確実に自分にもお客さんにも伝わって、ラルゴは特別な空間になった。
 この日のステージでもあの世とこの世を行き来する感覚が残っていた。ライブの後半では、行ったきりにならないように、バランスをとった感じ。もう少しあの感覚を突き詰めたいと言うか、ひたってみたい気もした。「機関車」ははまった。
 ツアーの間に五感が開放され、研ぎすまされてきた感じ。
 言葉とメロディーが生まれそうな予感。
★廃校のグランドに咲くタンポポ。去年も見に行ったなあ。

2008年5月26日月曜日

この世とあの世

北海道 帯広 ふた葉亭
 芦別から在来線の普通列車に乗って帯広へ。旅の疲れがたまっている上に、座席にリクライニングがなく、乗り心地がよくなくて、きつい移動だった。
 ホテルについたら夕方まで仮眠。開場直前に店入りして、リハーサルも10分程ですます。こういうときは本番直前までスイッチをオフのままにするに限る。
  そう言えば、今から10年程前の北海道ツアー中、この帯広で突然、憂鬱、虚無、絶望の感情に襲われたことがあった。デビュー当時からお世話になっていた事 務所を離れ、今のようなツアー暮らしを始めたばかりの頃で、まだスイッチのオンオフもうまくできず、心身ともにキャパシティーを超えてしまっていることに 自分で気付かないまま、無理をしすぎてしまった反動が出たのだろう。
 がんばらない。流れに身を委ねる。
 この日、ステージで演奏しているときの自分は、大げさな表現だけど、この世とあの世を行ったり来たりしてるような感覚があった。余計な力が抜けたのが良かった。表現を突き詰めてゆくと、あの世が近くなるように思う。それは、より生きているということでもある。
 演奏中のある瞬間に恐れを感じた。そこにはまってはダメだ。けれど、そこを無視してもいけない。
 自分は臆病な人間だ。

★芦別駅にて

2008年5月25日日曜日

バースデイナイト

北海道 芦別 ディラン【共演】友部正人
 友部さん&ユミさん夫妻に会うのは、この一月で3回目。東京、大阪、そしてこの日の芦別と、色んな場所で再会できるのが嬉しくて楽しい。けれどステージで音を交わすのは多分4、5年振り。
 最初に自分がソロのステージを1時間やった後に、友部さんがソロで歌って、後半にセッションという流れ。
 自分の出番の後は、カウンターの中で焼酎を飲みながら友部さんのソロステージを聴かせてもらう。先日新譜を聴かせてもらったときも感じたことだけれど、友部さんの表現はいつまでたっても鮮度が損なわれない。常に旬な友部さんがそこにいる。
 「若さの秘訣とは、無理に体を鍛えたり、しわを伸ばしたりして若作りをすることではなく、年を積み重ねて変化してゆく自分を受け入れて、楽しむという姿勢にあるのではないか」友部さんの音楽に触れて、そんなことを思った。
 歌っているときの友部さんの視線は客席にはなく、常に中空にあり、見えない何かと交信しているような感じ。その姿が実に気持ち良さそうで、ときめいて見え、聴いている自分も一緒に交信しているような気分になった。
 カウンターの中で友部さんの演奏を聴いているときから、インスピレーションがわいていたので、友部さんとのセッションでは直感に従うように演奏ができた。
 1曲の演奏を終えて、ステージで顔を見合わせた時の友部さんの表情は無邪気な子供みたいで、とてもチャーミングだった。

 この日のライブは、ディランの25周年記念として企画されたのだけれど、奇遇にも前日がボブ.ディランの誕生日で、当日が友部さんの誕生日。打ち上げではバースデイケーキが用意され、友部さんの58回目の誕生日とディランの25周年を皆で祝った。
★ディランの前で友部さんと。