2008年12月29日月曜日

74歳ライブーやっぱり師匠。そして杉瀬陽子発見。

大阪 martha(dinning cafe+goods)
『リクオのスペシャル忘年会!2008』
【ゲスト】有山じゅんじ
【オープニングアクト】杉瀬陽子with酒井宏樹

 1日休養して、昨日よりは少しましになったとはいえ、声は枯れたまんま。まいった。どないしょ。とにかく、やるしかないわなあ。申し訳ないな。
  恒例のマーサ忘年会ライブである。告知していなかったのだが、この日はお客さんへのプレゼントの気持ちも込めて、師匠の有山じゅんじさんにゲスト出演して もらうことになっていた。さらにマーサ側からの強力なプッシュで関西在住のシンガーソングライター、杉瀬陽子ちゃんにオープニングで数曲歌ってもらうこと も決まっていた。当日陽子ちゃんと話していたらマーサと縁の深い酒井宏樹によくギターを弾いてもらっているということなので、急遽彼にも十三から駆けつけ てもらい、ギターを弾いてもらうことにする。
 実は、杉瀬陽子ちゃんに会ったのも、その音楽に触れたのもこの日が始めてだった。それは祈りに満ちた歌だった。楽曲、声、集中力、空気感、どれも素晴らしかった。まれにみる逸材だと思った。4年前にハンバートハンバートを初めて聴いたときを思い出した。
 宏樹とのコンビネーションも「いっそコンビで活動したらいいのに」と思わせる程良かった。
 2人からいい刺激を受けてステージへ。しかし声は出ない。
 発想を転換して、出ないものは出ないのだから、無理に声を振り絞るのはやめることにした。体力も衰え、若い頃より声も出なくなった30年後の自分をイメージして演奏することにした。
 声が出ないからマイクに近づいて歌うのではなく、逆にマイクを遠ざけ自分の生声を感じながら歌うように心がけた。PAスピーカーの音もいつものマーサライブよりかなり小さめ。
  こういう発想でライブにのぞめたのは有山さんの影響もあったように思う。実は、当日のリハーサル中に、客席でオレの弾き語りの音チエッックを聴いていた有 山さんから「オレは前音が大きいと思うけどな」という意見が出たのだ。それで、その意見を聞いて、PAの音量を下げてもらって演奏してみたら、音の奥行き が深まって、より心地よく感じられた。
 この日の有山さんは、アコースティックギターをラインに通したりアンプで鳴らすことはせず、ギターの前に マイクをオフ気味に一本立てるだけで演奏した。そうするとギターの音量はあまり稼げないのだけれど、そのマイクにギター以外の音も混じり合って、実に自然 で奥行きのある響きが生まれた。有山さんのギターの音量に合わせて、自然に自分のピアノの音量も下がった。それで何も問題はなかった。
 こうして74歳ライブへの流れが出来上がったのだ。気付きの多いライブだった。
  自分よりも11歳年上の有山さんは、ますます力が抜け、余計なものがさらに削ぎ落とされてゆく感じ。この日も素晴らしいパフォーマンスだった。
 聞けばこの日で8日連続ライブだと言う。疲れたなどとは言わず、「毎日が忘年会や」と笑顔で話す有山さん。やはり師匠である。
 74歳への道のりはまだ遠いけれど、74歳になったときのライブもきっと悪くないなと思えた。30年後の自分は、力が抜けつつ、それでもまだ葛藤の中いるように思う。いや、そうありたいと思う。
 本編の最後「アイノウタ」を歌う時は声を振り絞った。お客さんが手拍子とコーラスでオレを助けてくれた。ありがとう。そして、ごめんなさい。
 懲りずにまた会いに来てください。
 
 今年はこれにて仕事納め。
 感謝。

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