2010年9月26日日曜日

収穫の秋

高知 FANCY LABO (RING)リング
 この日のライブを企画してくれた町田夫妻と1年2ヶ月振りに再会したら、2人とも体つきが随分と引き締まっていた。山口洋と友部正人さんの影響で、夫婦揃ってランニングにハマっているのだそう。
 この1、2年、とにかく自分の回りで、走りだす人が激増している。ブームということもあるのだろうけれど、年代も関係しているようだ。若い人よりも30 代後半以降でマラソンにはまる人が多いのだ。心と身体の両面でバランスを取るのが難しい年代なんだと思う。 

 昨年、ヒロシとの四国ツアーで、この会場で演奏したときの感触が残っていて、今回も集中力の高い演奏ができた。
 ツアー9日目、最終日で一番声が出た。多分自分のキャリアの中で、今が一番声の調子が良い。今迄、シャウトしてぎりぎりだったAのキーが、この日は結構余裕を持って発声できた。課題を持って発声に取り組んできた効果がはっきりと表れているのが嬉しい。
 
 今回の9日間ツアーは、自分の演奏にじっくり向き合うことができた気がする。収穫の秋。
 この感覚を忘れずに、またすぐにステージに立ちたいという思いと同時に、少し休養したい気持ちも。曲も書きたい。

2010年9月25日土曜日

ハッピー連鎖

愛媛県 松山市 スタジオ OWL(オウル)
 梶虎君との付き合いは、彼が大阪の大学に通っていた頃からで、もう12年になる。彼が愛媛で自分のライブを始めて企画してくれたのが、01年。それから コンスタントにライブを企画し続けてくれて、今年で10年目。自分にとっては最高のサポーターの一人。
 彼は楽しみを決して独り占めしない。とにかく人に伝えて、それを皆で共有しようとつとめる。そのエネルギーが素晴らしい。
 早川義夫さんが著書で「いい人は人を元気にさせる。正直だ。前向きだ。」と語っていたけれど、その言葉は梶虎君にも当てはまる。自分は日本各地を回って、正直で前向きな人達にたくさん出会うことで、随分と力をもらってきたように思う。
 ライブはソールドアウトになった。ハッピーが会場中に連鎖していた。
 ライブで集中力が高まり、いい状態になると、自分にこんな力があったんだということを思い出す。そして、まだその先に行けそうな気持ちになる。自分の未知の可能性に気付く感じ。
 忘れたくない感覚。

2010年9月23日木曜日

田んぼ山里、お月さん

香川県 三豊市 ブギナイト
 三豊3度目のライブ。
 ブギナイトの回りは田んぼ山里ばかり。そんな懐かしい風景の中、夕暮れ時に、空の低い場所から見事なお月さんが浮かび上がってきた。シャッターを何度か 切ってみたのだけれど、カメラではおさめきれない光景だと気付く。しばらく見とれてアイカメラに焼き付ける。
 自分が今目にしている風景は、何十年、いや、もしかしたら何百年以上前から、たいしてが変わらずに存在しつづけている風景かもしれないと思った。月を眺 めながら、こんな場所にライブ会場があって、人が集まって、今からステージが繰り広げられることが、ちょっと不思議に思えた。
 ブギナイトは普段は鉄板焼き屋さん。ブギナイトに来たら、お店の名物シェキ鍋を食べるべし。美味しくて、ヘルシー。おすすめです。自分が最も好きな焼酎、兼八と泰明がそろっているのも素晴らしい。
 ありがとう。今夜もいい夜でした。

2010年9月22日水曜日

ゴスペルクワイヤーと共演

徳島市 寅屋
 三ノ宮からバスで徳島へ。9月の後半だというのに、真夏のような日差し、暑さ。
 昨年まで徳島市はあまり縁のない街だったのだが、寅屋と、寅屋を紹介してくれた浅川夫妻のお陰で、縁がつながり、わずか半年のスパンで、またこの街に戻ってくることができた。
 お客さんは前回よりも倍増して、満席になった。嬉しいなあ。
 前回に続いて、オープニングで、浅川夫人のみきちゃんによるソロユニット、フリーダが3曲演奏してくれる。みきちゃん、声がよく出るようになったなあ。 躍動感、開放感が増した感じ。学生時代からの音楽仲間が、こうやって自分のスタンスとスタイルで音楽と向き合い続けていることが、嬉しく思えた。
 自分のステージでは、地元で活躍するゴスペルクワイヤグループ「林敬子と福歌」がゲスト参加して、2曲共演。「声の力ってほんますごいな」とあらためて実感。
 自分はゴスペルミュージックに詳しいわけではないのだけれど、自分が好きなアーティストの多くがゴスペルの影響を受けていることもあり、その間接的な影 響は結構大きいように思う。特に近年、曲作りにおいて、ゴスペルの影響が反影されることが多くなった。
 
 ゴスペルと信仰は切り離せないものだけれど、自分は特定の信仰を持つ者ではない。ただ、信仰心と呼びたくなるような感情が自分の中にも存在するようには思う。それは一神教的な信仰心とは違うようだ。
 こういう感情を、もっと突き詰めるような時がくるのかな。

 この日は中秋の名月。打ち上げの途中で会場を抜け出し、しばらく夜空を眺める。月と金星が距離を置いて見つめあっているように見えた。

2010年9月20日月曜日

「今池祭り」に参加

名古屋 今池祭り 東南会場(ダイエー通り.田中鮮魚横)
 今池は思い出のたくさんつまった縁の深い街だ。始めて訪れたのは、自分がまだ大学生の頃。それ以来ずっとツアーで通い続けて、20数年。
 相変わらず、パチンコ屋、サウナ、飲み屋、いなたい喫茶店がたくさんあって、裏通りはいかがわしく、洗練に背を向けたような街の佇まい。
 始めて参加した「今池祭り」は、想像以上の規模と賑わいだった。通りにたくさんの露店が並び、大道芸、ライブ演奏、プロレス等さまざまな催しが各所で行われていた。
 街で暮らす人達、特に商店街での横の繋がりがないと、こういうお祭りは成り立たない。ディープ今池、ローカル今池の良さを実感できる、懐かしくて暖かい空間。
 このお祭りの実行委員長は、今池で得三というライブハウスをやっている森田さん。森田さんとは学生時代からの付き合い。この人がいなければ、自分が今池に通い続けることはなかった。

 自分の出番の前は、四日市からやってきたハードコア.ロックンロール.バンド、ガソリンが、演奏。弾けまくったパフォーマンスで会場を多いに暖めた。こういうタイプのバンドと一緒になることはめずらしい。このお祭りならではのごった煮。
 ステージに上がったら、夜空にとてもきれいなお月さんが浮かんでいた。月と見つめ合いながらのステージ。終始心地よい開放感の中で演奏できた。ライブは予想以上の盛り上がり。いい形でお祭りを締めくくらせてもらうことができたと思う。
 ライブ終演後、楽屋にガソリンのメンバー達が挨拶に来てくれた。パンクスルックで、尖った風の若いベーシストが、素直に感動を伝えてくれたのが嬉しかった。

2010年9月19日日曜日

関市10回記念公演

岐阜県関市 高橋商店
 関市に移動する前に高山の街をしばらくぶらつく。連休とあって観光客がたくさん。乗車前に、清水ミチコさんの実家がやっている喫茶店「if」で一服。アンティークな内装で、落ち着く。高山には、味のある喫茶店が多い。

 この日のライブ会場、高橋商店のコーちゃん&ヒロちゃん夫妻とは、高山で出会った。二人が地元関市に戻って自分達の居酒屋をオープンさせたら、彼らの主 催でライブを演りに行く約束を高山で交わしたのが、今から12年前。01年の関市初ライブ以来、途切れることなく毎年通い続けて、今回が記念すべき10回 目。ありがたいことだ。
 この日は感謝の思いを込めて、特別の選曲でのぞむ。理想的な共鳴空間をコーディネイトできたと思う。
 打ち上げで、地元の人達と話をしていると、高橋商店が、食と音楽を通じていかに、出会い、繋がりの場になっているかということがよく伝わってきた。そのことが、自分にもとても嬉しく思えた。
 コーチャン&ヒロちゃん、関市の皆さん、これからもよろしく。

2010年9月18日土曜日

少しずつ変わり続ける

飛騨高山 ピッキン
 約1年4ヶ月振りの高山ピッキン。
 マスターの高原さん、白髪が増えたなあ。その脱力振りに増々拍車がかかってきた。ライブでお世話になっている高橋さんは、なんか表情がすっきりした感じ。
 マスターから「リクオはこの1年で何か変わったことないの?」と聞かれて、すぐには思いつかず、取りあえず「老眼が進みました」と答える。
 とにかく元気に再会できたことが何より。

 調律をすませたばかりのアプライトピアノは、とてもよく鳴り響いてくれた。同じピアノを弾いても、前とは違った鳴りに感じる。自分が変わったのか?ピアノが変わったのか?きっと両方。
 新曲、手応えがあった。しばらく演り続けてみよう。

2010年9月17日金曜日

46歳

 46歳になった。
 自分の中に中年と少年、秋と春、いろんなもんが同居してるような感じ。
 色んな自分がいて、どれが本当の自分ということはないのだと考えるようになった。自分の知らない自分、隠していた自分をもっと引き出したいような、めんどくさいような。
 らしさの殻に閉じこもることなく、いろんな自分を受け入れて、力み過ぎず、面白おかしくやっていけたらなと思う。

 ツイッターやBBSで、たくさんの誕生日メッセージありがとうございます。

2010年9月11日土曜日

ありがとう。

江ノ島「UMISAKURA MUSIC FESTIVAL 2010」
【開催場所】メインステージ:神奈川県藤沢市 江ノ島展望灯台サンセットテラス
ナトステージ:江ノ島ビュータワー7階 虎丸座   
【出演者】リクオ/山口洋(HEAT WAVE)/ウルフルケイスケ/バンバンバザール/おおはた雄一/Leyona/BLACK BOTTM BRASS BAND/KOTEZ&YANCY(ナイトステージ)/谷口 崇(ナイトステージ)/ラブハンドルズ/石嶺聡子/Peace-k(Pすけ)/上 原”ユカリ”裕

 晴れてよかった~。
 「UMISAKURA MUSIC FESTIVAL 2010」、ものすごく濃密な1日だった。
 1日で、ホントたくさんの人達と関わって、たくさんの印象深い光景を目にして、たくさんの共鳴を繰り返した。
 メインステージが終わったら、随分と疲れた。前日もあまり睡眠をとってないし、朝から色んなところに目を配って、自分で言うのもなんだけど八面六臂の働きだったので、仕方がないと思う。
 けれどナイトステージの前に、メインステージの出演者達と一度目の乾杯をして、アルコールを注入したら、俄然元気が回復。ナイトステージ最後のセッションタイムでは、皆と一緒に、これ以上ないくらい、多いに弾けた。
 お客さんからお金をとって、これだけ行き当たりばったりのステージをしたのは、始めてだったかもしれない。
 曲順はおろか、演る曲すらきっちりと決めなかった。次の曲で、自分以外の誰がステージに上がるかも、事前にはちゃんと決めなかった。さまざまな状況に対応できる最高の共演者がいたから成り立ったことだ。
 セッションでは奇跡的な出来事が繰り返された。スリリングなところも含めて、楽しくて仕方がなかった。演奏者の皆が、素晴らしくオープンマインドで、心から音楽を楽しんでいて、ステージでミラクルを呼び起こすだけの腕を持っていた。
 湘南に縁の深い桑名晴子さんの飛び入りは最高だった。彼女からフェスに遊びに来るという連絡をもらっていたので、それならと飛び入りをお願いしたのだ。
 一期一会の空間をお膳立てして、そこに自分自身も身を置くとこ。繋がりの場所、共鳴空間を作ること。自分はそういうことがやりたいんだと、あらためて思った。

 フェスを主催した「海さくら」は「江ノ島の海をきれいにして次世代に残そう。」という趣旨で活動しているチーム。自分自身は普段の「海さくら」の活動に はほとんど関わることがなく、このフェスのミュージック.プロデューサー&出演者という関わりだけれど、「海さくら」代表の古澤君とは、1年をかけて一緒 にこのイベントを作ってきたという思いがある。
 メインステージの後は、海さくら制作のドキュメンタリー「あなたの心の流れる先に」が上映された。ゴミの象徴であるタバコーのフィルターを集めてカヌー を作り、ゴミのルートをである川を下り、江ノ島を目指すという内容。監督は俳優としても活躍する山下徹大君。
 古澤君の情熱、行動力、誠実さから学ぶことは多い。古澤君と自分とは、歩んで来た道のり、感性、年齢、立場、色んな部分で違いがある。そういうタイプの違う人間が集まって、一緒に何かをすることに意味があるのだと思う。
 あまりにも濃密な1日、うまくまとめられないなあ。
 とにかく、本当にありがとう。

2010年9月2日木曜日

中学生の前でライブ

弘前市立第4中学校体育館

 いや~、弘前もまだ暑い!
 今年の夏は日本中どこに行っても、とにかく暑い。

 この日のライブ会場は中学校の体育館。この学校の数学教師、S君からの依頼で、文化祭の後夜祭の催しとして、全校生徒の前で演奏させてもらう。
 多分、生徒のほとんどはライブ自体が初体験。どう対応して、どう楽しんだらいいのかわからず、戸惑っている様子がうかがえた。それでも皆、最後までよく聴いてくれて、とても新鮮な気持ちで演奏させてもらった。
 演奏中は、生徒それぞれの顔がよく見えた。楽しそうに手拍子をする生徒、緊張の面持ちの生徒、途中で寝てしまう生徒、さかんにこちらにアピールしてくる生徒、ほんとさまざまな個性があるなあと思った。
 中学生に、自分はどんな風にうつったのかな?
 後日、S君から、この日のステージに対する生徒達の感想文が送られてきたので、すべてに目を通させてもらう。なんだ、みんな、こんなに楽しんでくれていたのか。嬉しいことばかり書かれていて、とても勇気づけられた。大事にとっておこうと思う。

2010年9月1日水曜日

雪辱ライブ

秋田市 カフェ.ブルージュ 
 米坂線から羽越線に乗り継いで、トンネルを抜けたら海が広がった。列車は何度も汽笛を鳴らしながら、日本海沿いを走り続けた。天候にも恵まれ、車窓の景色が素晴らしかった。
 カフェ.ブルージュでのライブは多分、3年近く振り。実は前回のライブでは、ツアー中にノロウイルスにやられてしまい、最悪の体調でのステージになってしまった。だから、今回は雪辱ライブ。
 前回に続いて今回のライブも、仙台のテリーによるコーディネイト。彼は仙台でディスクジョッキーをやったり、イベントを企画したり、さまざまなミュージ シャンの東北ツアーをブッキングしたり、とにかくツアーミュージシャンにとって、ほんとにありがたい存在。
 この日もピアノの鳴りがよくて、結局マイクを立てなかった。久し振りの秋田ライブで、客席が埋まったのが嬉しかった。テリーやママさん達が宣伝してくれたお陰だ。
 カフェ.ブルージュのグランドピアノのタッチは独特で、自分の身体が覚えていた。多分、ピアノの方もオレのことを覚えてくれていた。相思相愛だから、いい音が鳴るに決まっている。声もよく響いてくれた。
 雪辱は果たせたかなと。
 また戻って来ます。