「FM802 WINTER WONDERLIVE=PIANO SONGS=」
出演者:KAN/SKOOP ON SOMEBODY/Salt&Sugar(塩谷哲&佐藤竹善)/リクオ/馬場俊英
フェスティバルホールはお客で何度も来た事がある。ここで見たレイ.チャールズ、ライ.クーダー&デビィット.リンドレーのコンサートは忘れられない。音も雰囲気もよくって、いつかは立ってみたいステージだった。呼んでくれたFM802塚越さんには感謝。
チケットは3千枚完売。立ち見がでる盛況。あらためて802パワーを思い知らされる。
ステージには向かい合わせにグラウンドピアノが2台用意された。なんでもフェスティバルホールは10台ほどのピアノを所持しているそう。 用意されたのは、どちらもハンブルクのスタインウェイ。タッチも音色も最高と言っていい。物がいいだけでなく、楽器のコンディションもすごくいい。
自分にとってのこの日のハイライトは自分のソロコーナーの後に行われたSaltこと塩谷哲氏との2台のピアノによる共演だった。塩屋氏との共演は数年前か らの自分の希望だったから、この話が来たときは嬉しかった。セッション曲には自分のオリジナル「ソウル」を選ばせてもらった。
当日のリハーサルで初めて音合わせをした。その時点で素晴らしかったので、もうこれ以上リハーサルをやる必要がない、やらない方がよいと思った。
本番でのセッションは素晴らしいものになった。導かれるようにインスピレーションが溢れ出て、今までにない演奏ができた。この日は、疲れがたまっていて、 声の調子はベストではなかった。それでもこのセッションのときには、不思議と声が出た。それぐらい触発されたのだろう。
塩屋氏の演奏は、無理や邪念がなく、流れに身を任せるなかで、受け取り、与えられ、溢れ出たインスピレーションに従いプレイしている感じ。とても歌を大事にしてくれて、愛情のようなものも感じた。
セッション中に、高揚し過ぎてどこかに行ってしまいそうになる瞬間があった。そうなったらもったいないので、気持ちをおさえた。このへんをもっとコント ロールできたら、さらに先に進めそうな気がした。塩屋氏には、表現者として自分がさらに前に進むきっかけと、意欲を与えてもらった気がする。
広い舞台もやはり気持ちがよい。この日のステージに立ってみて、アンダーグランドとオーヴァーグランドを行き来するような活動がもっと出来たらいいなと思った。
802のイベントの素晴らしいのは、出演者同士がつながり、交わる機会を必ず用意してくれるところだ。それはミュージシャン側にとっても、必ず今後の大き な財産になってゆく。この日の出演者は皆、オープンマインドで、気持ちよく受け入れてもらえた気がする。一線で活躍する人間の実力も感じさせてもらった。
ただ、このメンバーの中で、自分はやはり異質だと感じた。そういうことをあらためて自覚できたことは、この日の重要なポイントの一つだった気がする。
仕事納め。結構、充実した1年だった気がする。関わってくれた皆さん、応援してくれた皆さん、ありがとう。来年も楽しみやしょう。
★ソロのリハーサル中。
★塩屋氏とリハーサル中。