2022年2月6日日曜日

「落とし所」を見つける前に必要なプロセス

結局、東京でのリハーサルに参加した出演者&スタッフの中から3人の陽性者が出た。幸い、それぞれ軽症との報告を受けているけれど、オミクロン株の感染力の高さと、もたらされる影響力の大きさをまざまざと見せつけられる結果となった。

この数週間で、知り合いのコロナ感染者が激増した。その中には、40°前後の発熱が続いた後に味覚嗅覚障害が出た者も何人かいる。
「今回のオミクロン株も『ただの風邪』とはとても言えない」
これが今のところの自分の実感だ。

弱毒化したとは言え、ここまで感染力の強い変異株が登場するとは専門家でさえ予想外だったように思う。国も行政も、変異を繰り返す感染症への対応が追いつかないのが現状だ。
その様を批判することは簡単だけれど、批判だけでなく、「安易な答」が存在しない現実を皆で共有した上で、「落とし所」を見つける議論の必要性を感じる。

ここにきて、新型コロナの位置付けを「2類」から季節性インフルエンザ などの「5類」に下げるべきとの意見をより多く目にするけれど、その正否が、答ありきの不毛な対立の場に化しているように見える。現実を見据えた発展的な議論が成り立っていない。
陽性であっても入院せずに自宅待機が認められ、一定条件を満たしていれば検査も必要なしとされる現状に触れた身からすれば、今のコロナの実質の位置付けは当初の「2類」枠から既に相当はみ出しているという認識だ。

議論を進めるには現状や事実の共有が前提だけれど、コロナ禍の不安要素がその前提の共有をより難しくしているように感じる。この2年間で、自分が見たい景色だけを見て、信じたいものだけを信じる傾向がさらに広まった気がする。

あくまでもコロナを「ただの風邪」と断定し続ける人達は、その不安によって「他者の痛み」に対する想像力を奪われてしまったように見える。「他者への想像力の欠如」こそが「陰謀論者」と呼ばれる極端な説にすがる人達の最大の問題点だと思う。
それは特別な資質ではなく、誰もが陥る可能性のある傾向に違いない。そういった傾向がもたらす悲劇は、歴史が何度も証明してきた。同じ時代を生きる補い合う者同士として、ともに不安を乗り越え、歴史を乗り越えてゆきたい。

先が見えない悩ましい状況は、まだ続くのだろう。今は何を優先しても、そこに「痛み」が伴うように思う。ならばせめて、その「痛み」を忘れずにいたい。
自分達が「落とし所」を見つける前に必要なプロセスは、やはり「他者への想像力」と「痛みの共有」だと思う。

ー 2022年2月5日(土)

2022年2月3日木曜日

「かすかな光」のアンサンブル ー 横浜・サムズアップ公演延期から4日後の現状報告です

1月29日(土)&30日(日)に予定していたリクオ with HOBO HOUSE BAND@横浜・サムズアップ公演は、公演前日よりバンドメンバーのコースケ(宮下広輔)に37度前半の発熱、喉の痛み、頭痛など新型コロナウイルス感染と重なる症状が見られたことを受けて、考慮の結果、開催を延期させてもらいしました。

公演当日29日午前にコースケが行った抗原検査の結果は陰性でしたが、その後31日のPCR検査の結果は陽性で、新型コロナ感染が確定されました。
2月1日には、同バンドメンバーの寺さん(寺岡信芳)より、前日1月31日深夜より寒気、微熱、関節痛、喉のイガイガなどの症状が出たため1日に病院でPCR検査を受けたとの報告があり、本日3日に陽性が判明しました。
幸い2人とも軽症で、既に熱は平熱に下がり症状も治っているとのことです。

コースケより保健所からの以下の指示の報告を受けました。
《現在は仮に「濃厚接触者」であっても、外出や移動手段、仕事可否について法的な強制力はなく、陽性者と接触後7日間は、普段より健康状態を注視するように。「濃厚接触者かどうか」については重要視しない》
急激な感染拡大に対して保健所や行政が対応しきれなくなっているだけでなく、これまでの感染者、濃厚接触者への対応では社会活動が維持できないとの判断も働き始めているようです。

自分は現在、いたって元気ですが、陽性者との接触後7日間を目処に自宅待機を続けています(明日2月4日までの待機となります)。京都の行政窓口には何度も連絡を試みましたが不通状態が続いたため連絡を諦めて、濃厚接触者であることを自己判断しました。
コースケの陽性結果を受けてすぐに自宅での抗原検査を行い陰性でした。熱は平熱、パルスオキシメーターで測った酸素飽和度&脈拍数も通常数値が続いてます。

抗原検査よりも精度が高いと言われるPCR検査を近日中に受ける予定はありません。検査キット不足の現状や自分が無症状であることから、PCR検査は高齢者、疾患のある方、症状の出ている方に優先してもらった方がいいのではと判断して自宅に篭ってます。もちろん、この判断はそれぞれの状況によっても変わると思います。

自分が濃厚接触者に当たるとの判断は、1月28日のリハーサル後、コースケの運転する車の助手席に40分以上座って時折マスク越しの会話も行っていたことに依りますが、リハーサルに参加した他のメンバーに関しては、現在の判定基準では、濃厚接触者にあたらないメンバーもいるかもしれません。
現在、感染が確認されていないメンバーも、それぞれが自宅待機、PCR検査、抗原検査などを実施して自己判断で対応している状況です。

今は「確実に正しい」やり方や判断がはっきりと見えない状況だと思ってます。落とし所の難しさを感じて、ついつい「安易な答」にすがりたくもなります。正直、ここにきてこれ程までに活動が制限されることになるとは思わなかったので、今がコロナ禍で最も厳しい状況と言えるかもしれません。その割には、心の安定を保っていられるのは、周りからポジティブなエネルギーを受け取っていることも大きいです。

これまでの人生の中で、この2年間ほど、自身の行動や心構え、態度を問われ続けた時期はなかったように思います。
結局、外部以上に自分自身の中に見出した希望の方が持続可能なんじゃないか。今、そんなことを考えてます。
自分自身の思考や態度、行動の中に「かすかな光」を見つける。いつか、方々で生まれた「かすかな光」達が出会い、アンサンブルを奏でる日を夢見続けようと思います。
部屋にこもって6日目、考える時間が多いのは悪いことばかりじゃないと感じてます。

この現状報告が、少しでもみなさんの今後の判断のお役に立てれば幸いです。

ー 2022年2月3日(木)

1/29(土)&30日(日)#リクオ with HOBO HOUSE BAND@横浜・サムズアップ公演の延期を受け、昨年9/4(土)同地でのワンマン・ライブをYouTUBEにて2月6日(日)までフリー配信中です。曲順も公開されてます。

自由にご覧頂けますが、お店&出演関係者の収益となる投げ銭も受け付けてます。よろしくお願いします。
投げ銭振込先 : 三井住友銀行 横浜駅前支店 (普) 9128410
口座名義 有限会社 ストーブス
・お振込名の後ろに公演日をご記入下さい。
例)ミョウジ ナマエ1009 (10/09の場合)