2010年10月31日日曜日

雨の港町

今朝は小雨が降っていた。出発前に町を散歩。雨の港町もいいもんだ。

2010年10月30日土曜日

高知の港町にて

第17回移動高新 ふれあい高新 in中土佐
「久礼のみなとのhama-yashiki ototo音楽祭」
場所:高知 中土佐町久礼新港(雨天決行)
【出演】リクオ&山口洋/城戸けんじろ/う~み/ザ・たこさん/ミステルズ/SWAN/他
 山口洋と一緒に、カツオの一本釣りで有名な港町、中土佐町久礼をはじめて訪れる。
 2人で久礼に前日入りして、リハサーサルをすました後、夜は高知市内で、この日のイベント参加のきっかけをつくってくれた知人らと、予想外にしこたま飲んだ。
 朝目が覚めたら二日酔い。またやってもうた。部屋からホテルのロビーに降りて来たら、ヒロシはオレ以上の二日酔いで、ぐったりとしていた。
 会場入りして、中継車からのラジオ生出演を終えた後、オレはすぐに会場近く海沿いの高台にある温泉へ連れて行ってもらい、中土佐の海を眺めながら、ゆっくりと露天の湯につかり、アルコールを抜く。
 その後、旅館でヒロシとの軽い打ち合わせをすませて、しばらく港町をぶらつく。古い民家が軒を並べていて、子供と老人、そして野良猫が目についた。コン ビニが一件も見当たらず、通りからは懐かしい生活の匂いがした。なんだか昭和の時代にタイムスリップしたような感じ。いいなあ、この町。
 ヒロシも夕方には復活。港を背にして行われた久し振りの2人きりのステージは、相変わらずの振り幅の広さ、緊張と緩和のダイナミズムにあふれていた。
 お客さん、スタッフ含めて、会場にいた皆がほがらかないい顔をしていた。地域に密着してた手作りの暖かいイベントだった。
 色んな思いがストレートに伝わってきて、その素直さ、素朴さに、心が浄化されるような、救われるような思いがした。
 中央の音楽業界と言われるところからは、随分離れた場所に来たなあと思う。

 嬉しかったことがもう一つ。高知新聞につとめる知人の記者が、前日にオレとヒロシをインタビューしてまとめた記事が、この日の高新の朝刊に掲載されたの だが、それがとてもいい記事だったのだ。限られた紙面の中で、こちらの思い、本質の部分を汲み取って、正確にまとめてくれたのが、嬉しい。記者氏の心意気 と、誠実さに勇気づけられた。

2010年10月25日月曜日

20周年イベント関西プロモーション

 デビュー20周年ライブイベントのプロモーションで、京都、大阪の各FM、ラジオ局を回る。関西の媒体だと、自分を知ってくれてる人が多くてありがたい。
 この日の締めは、FM802番組「ビンタンガーデン」の収録。20周年を記念して『リクオ ホーボーQUESTION!?』というタイトルで特集を組んでもらったのだ。番組ディレクターのH氏とは、18年を越える付き合い。
 ソウルフラワーの中川君、おおはた雄一君、レヨナがコメントを寄せてくれていて嬉しかったな。放送は11月6日(土)23:00~24:00。再放送は11/7(日)24:00~25:00。
 関西、やっぱあったかいなあ。
 プロモーションを組んでくれたポニーキャニオンのI君にも感謝。
 20周年ライブイベント「ホーボーコネクション」成功させんとね。こんなイベント、もうなかなかできないと思う。今更ながら準備も大変やなあと。
 ちょっと無理してでも足を運んで下さい。
 お待ちしてます。

20周年イベント特設サイト http://www.rikuo.net/20th/

2010年10月24日日曜日

10年振りの福井敦賀

福井 敦賀市 酒菜楽アリーナ
 敦賀を訪れるのは、10年振り。ライブ会場は前回と同じアリーナ。前回はソロではなくヘルツでの来場だった。すごく盛り上がって楽しいライブだったことを覚えている。あれからもう10年も経ったのか。
 席もうまって、ライブは理想的な盛り上がりになった。始めてのお客さんだけでなく、10年振りに足を運んでくれたお客さんがいたことも嬉しかった。
 正直、この日はたまっていた疲れが出て、体調はあまりよくなかったのだけれど、会場入りしたときから、マスターの野口さん、地元スタッフの皆さんの、この日のライブへの強い思いを感じ取ってていたので、その思いが自分の気持ちを振るい立たせてくれた。
 マスターの野口さんは、この10年の間、辛い時期にはオレのCDを何度も繰り返して聴いてくれていたそうだ。前回敦賀ライブを企画してくれたK君とも10年振りに再会。元気そうで何より。
 打ち上げでは、早くも来年のライブ企画の話が持ち上がって、皆が色々と意見を出し合った。久し振りに訪れた街で、いい出会いと再会を果たすことができて嬉しい。

2010年10月23日土曜日

伊勢カップジュビーにて25周年

伊勢 カップジュビー
【オープニング】外村伸二
 リハーサル前に、伊勢神宮をお参り。神宮内を歩いて、大木に囲まれていると自然に抱かれているような感覚。

 この日のライブは、オープニングで、店主の外村伸二が40分程演奏。彼のステージのラストは、オレも参加して、昨夜レコーディングした曲を演奏。外村のステージを見て、彼の音楽の中に自分のルーツの一部があることをあらためて再認識した。
 ステージから、外村がオレのCDデビュー20周年を祝うコメントをくれたのだけれど、そのとき思ったのは、彼と出会ってバンドを始めた25年前が、自分 の音楽生活の一つのスタートになっているのだから、今年の自分は音楽生活25周年でもあるんだなということ。
 だから、この日の自分のステージは、勝手に自分で音楽生活25周年ライブにすることにして、1曲1曲丁寧に歌った。
 アンコールのステージに向かう時、外村が、何かセッションをしようと声をかけてきたので、再び彼にステージに上がってもらう。
 何も打ち合わせをしていなかったけれど、カヴァー曲4曲をセッションした。いい演奏だった。
 これからも、音楽を愛し続けて、音楽を通して、この夜のようないい時間を共有し続けてゆければと思う

2010年10月22日金曜日

伊勢で外村伸二のレコーディング

伊勢に前乗りして、翌日のライブ会場、カップジュビーのマスターで、シンガーソングライターでもある外村伸二のレコーディングに1曲参加する。
 外村とは、自分が学生の頃、一緒にバンドをやっていた仲。今思えば、前夜に一緒に飲んだ2人と外村等が組んでいたバンドに、25年前に参加したことが、自分の音楽生活の本格的なスタートになった気がする。
 レコーディングはカップジュビーに録音機材を搬入して行われた。参加した1曲は、自分にとっても思い入れのある外村のオリジナル曲だった。録音のときは、思い入れのあまり感情が入り過ぎないように心掛けた。
 これから年末にかけては、自分の中で、過去、現在、未来を繋げてゆく大切な期間になるように思う。

2010年10月21日木曜日

大阪焼酎ライブ

大阪心斎橋 焼酎BAR 酔夏男
「UZU~ピアノの輪~」
【出演】ヨツヤタカヒロ/日比直博
【ゲスト】リクオ
 この日は、大阪の若者が中心に企画する街フェス「見放題」のスタッフであるNさんが企画するピアノイベントにゲスト出演。
 ライブ会場の焼酎BAR 酔夏男を訪れるのは、今回が始めて。心斎橋駅からすぐの立地の良さで、地元の音楽好き、ミュージシャンが多く集まる場所なのだそう。そのせいもあってか、 開演前から開演後にかけて、大阪の多数の知り合いが会場まで訪ねて来てくれた。
 焼酎バーということなので、ステージドリンクは黒霧の水割りにする。典型的なお客さん参加型ライブで、自分は指揮者のような気分でパフォーマンスする。前席のお客さんの手拍子のリズムが走りがちで、ちと困った。
 ライブの企画者Nさんが、この日が誕生日だと聞いていたので、急遽アンコールで「ハッピーバースデー」を弾いて、皆で歌う。24歳になったのだそう。若いなあ。この日の共演者のヨツヤくん、日比くん含め、若い人達と関われることはありがたい。

 この日は、学生時代に一緒にバンドをやっていたメンバー2人がライブを見に来てくれたので、会場での打ち上げ後、場所を変えて一緒に飲む。25年前にバ ンドをやっていた3人が久し振りに集まって、特に違和感もなく、当時の感覚の延長のまま、飲んで話しているのが、不思議に思えたけれど、嬉しかった。自分 が年末大阪に戻って来たときには、3人でセッションをしようという話をする。楽しみやなあ。

2010年10月17日日曜日

米子初ライブ

米子 ONE MAKE
オープニングアクト:宮腰おさむ
 会場入りする前に、テレビドラマ「ゲゲゲの女房」のヒットで盛り上がる境港を観光。水木しげるロードは、10数年前に訪れた時とは別世界の賑わい。
 
 今年の祝春一番の楽屋で、踊ろうマチルダのマネージャーとして来ていたONE MAKEのマスター、ピコさんから声をかけられたことが、今回のライブ実現のきっかけになった。
 ONE MAKEはやさぐれた場末のバーのニオイがした。それはピコさんの美意識によって反影された佇まいなのだろう。トム.ウエイツやアルチュール.アッシュが聴きたくなる感じ。
 オープニングで演奏してくれた若きピアノマン、宮腰おさむ君とはこの日が初対面。ポジティブなエネルギーを持った若者で、空席の目立つ客席で、実にエネルギッシュなパフォーマンスを見せてくれた。
 自分の場合、困ったことに、こういう空席の目立つ空間で、それに見合ったたライブができてしまう。というか、この日のようなシチュエーション、雰囲気が嫌いではないのだ。ただ、ステージでの酒量が増えてしまう。
 少ないながらも集まったお客さんは皆オープンで、いい空間をコーディネイトすることができた。とは言え、この客数では、この場所に帰ってくることは難しい。
 ライブ後の打ち上げで、マスターと地元の電波媒体につとめるマスターの知人が、「次回はもっと宣伝して席をうめるので、もう一度米子に来て下さい」と言ってくれる。
 縁はつながったみたいだ。 

2010年10月16日土曜日

鳥取砂丘を巡礼

 鳥取砂丘は素晴らしかった。
 砂丘の頂上へ向かう人達の姿を、少し離れた場所から眺めていると、スペクタクル映画を見ているような気がした。
 自身も丘の頂上を目指して砂地を歩き続けていると、巡礼地に来たような、神聖な気分にもなった。砂丘のてっぺんに辿り着いて、海を見下ろしたときは、感動したなあ。

2010年10月15日金曜日

出雲初上陸

出雲 PUB LIBERATE
 出雲初上陸である。
 10数年のツアー暮らしの中で、山陰地方は最も縁の薄い地域。縁が繋がるかどうかは、今回のツアーのステージ次第。

 日中は、この日のライブ会場LIBERATEのマスター、ケンジの案内で、市内を観光。旧大社駅見学→昼食に出雲蕎麦→出雲大社参拝→日御碕から夕陽展望、という流れ。かなり満喫。もっとゆっくり訪れたい気持ちになった。
 ケンジとの出会いは3年程前。アコースティックパルチザンのツアーで岡山を訪れた際、客席の最前列を陣取っていたガラの悪い数人の一人が奴だった。
 年は30代後半くらい。革ジャンを着込んで、髪の毛をピンクに染め、首に“反戦”の入れ墨。そのルックスだけで目立つのに、ライブの頭から泥酔状態で大 盛り上がり。ライブ途中で中川君から注意されて、おとなしくなったと思ったら、今度は最前列で爆睡。これだけインパクトのある客もめずらしい。
 なぜか、ケンジの一団は打ち上げの席にも参加。聞けば、出雲でライブバーをやっていて、自分達が暮らす街で開催されるイベントへのソウルフラワーユニオ ンの出演を直談判するためにやってきたのだという。その成果あって、翌年、出雲でのソウルフラワーユニオンのライブが、実現されることになる。
 ケンジのことは自分もずっと覚えていて、中川敬や山口洋からも実は結構いい奴だという話を聞いていたので、いつかLIBERATEを訪れる機会があればと思っていたのだ。
 シラフのケンジは確かにいい奴だった。地元の仲間も多く、随分と慕われている様子。
 ライブは自分の好きな酒場の猥雑な乗りで、よく盛り上がった。女性の歓声が響いたのもよかった。アホで気持ちのよい男達にも出会えて、楽しい酒だった。
 縁は繋がったようだ。
 ケンジ、お互い元気に再会しよう!
 アリガト。

2010年10月11日月曜日

昼は高畠、夜は藤沢で盛り上がる

 高畠ワイナリー企画イベントへの参加は昨年に続き2回目。会場はこの日も大盛況。快晴の午後、老若男女の前で気持ちよく演奏させてもらう。
 自分のライブの後は、大道芸人クライムボムのパフォーマンス。これが子供に大受け。
 クライムボムとは前日の前打ち上げで知り合い、多いに深酒し合った。滋賀県出身の30代後半。なかなかのイケメン。チャップリンやキートンに憧れて、大道芸の世界に入ったそう。
 彼は、その日のかまやつさんのライブを観て「とても悔しいと思った」そうだ。ミュージシャンを同じパフォーマーとして、多いに意識していて、そういう気持ちを素直に語れるのがいいなあと思った。
 イベント終了後、その日の内に藤沢に戻り、その足でバーケインズに寄って、湘南を拠点に活動するバンド、水母ボーダーズのライブを観る。店内は超満員で大盛り上がり。ファンキーかつ笑えるステージは、クレイジーケンバンドと共通した乗りを感じた。
 ライブの後もケインズに残って、またDJをやらせてもらう。左とん平からミルトン・ナシメントまで幅広く選曲。 


2010年10月10日日曜日

大御所弾ける!

 午後から、ミルトン夫妻らと、明日のイベント会場がある山形県高畠ワイナリーへ向かう。その道すがら、小原温泉に寄り、山間の渓流沿いにある岩風呂温泉につかる。最高のロケーション。
 午後3時過ぎ、イベント会場の高畠ワイナリーに到着したら、場内は大変な人出で大盛況。前日から野外イベントが続いていて、この日は大御所のかまやつつひろしさん、ブレッド&バターのお二人が出演。
 かまやつさんのこの日の選曲は、お客のニーズに応えて、ヒット曲のオンパレード。ヒット曲があるっていいなあと思った。ちょっと、うらやましい。
 堅実な選曲に対して、演奏の方は、実に奔放だった。嫌という程演奏してきた曲のはずだけれど、こなれた感じがなく、ホント楽しそうに弾き語っていて、かまやつさんのときめきがこちらにビンビンと伝わってきた。
 素晴らしい。技術を超えた人間力。客席は大盛り上がりだった。まさに高齢者ロックのパイオニアにして、最先端!
 ブレッド&バターのお二人もとてもコンディションが良さそうに見えた。
 大御所の皆さんはホント元気だった。オレも、まだまだこれからやな。

2010年10月9日土曜日

白石ミルトンでシークレットライブ

白石市カフェミルトンの恒例企画「アナログナイト」にシークレットゲストで参加して、弾き語る。
 イベント参加者がそれぞれアナログレコードを持参して、そのレコードに対する思い入れを語りながら針を落としてゆくという企画。
 さまざまな語りとレコード(CDもかかりました)を聴いた後でのステージだったので、自分もそれに近いスタイルのステージをやりたくなる。それぞれの曲に対する思い入れなども語りながら、選曲の大半をカヴァー曲で通す。
 ライブの後は、自分のパソコンのDJソフトを使って、DJの真似事をさせてもらう。こういう時間大好き。気付けば夜中の3時。

2010年10月8日金曜日

人生は一期一会

六本木で、今年亡くなった絵本作家でイラストレーターの沢田としきさんの個展を見る。沢田さんとは、ライブペインティングで3度共演させてもらったことがあり、どのステージも強く印象に残っている。
 会場には懐かしい作品がたくさん。沢田さんの作品の多くから音楽が聴こえてきた。
 夜は渋谷でジェフ・マルダー&エイモス・ギャレットのライブを観る。今回を逃せば、もう二度と観れないのではないかとの思いでチケットを押さえたのだが、同じ想いの人が多かったのだろう、会場は超満員のソールドアウト。お客の大半は親父。
 とにかく観れて、聴けてよかったあ。匠の技と歌心を堪能。2人をサポートした辻くん(Dr.)、ブラック・ボトム・ブラスバンドの面々のプレイも光った。ライブ中、自分もあのステージで一緒に演奏させてほしいなあと思った。
 ライブを観た後は下北沢に移動。ラ・カーニャでライブを終えた後の中川五郎さん等と終電まで飲む。
 濃密な1日だった。

 先日の角野恵津子さんの訃報に続き、この日も新潟の知人Tの訃報が届く。以前よりも死が身近な存在になりつつある。
 人生は一期一会。2度と巡ることのない時間を噛みしめ、後悔することなく味わおうと思う。

2010年10月3日日曜日

アンコールのビールは最高に美味しかった!

長野市 ネオンホール 
 この日も会場入り前は温泉の湯につかり、館内で昼寝。このパターン大好き。
 開演前にネオンホールのスタッフが楽屋にやってきて、「ステージドリンクはどうしますか?」と訪ねるので、「水で」と答えたら、「ビールでなくていいんですか?」と聞き直される。ちょっと心が揺らいだけれど、再度「水でいいよ」と答える。
 本編の真ん中あたりで、集中力がどんどん高まってきて、そのときに演りたいと感じた曲を、MCなしで5、6曲立て続けに演奏する。スローテンポの曲が中心になった。
 アンコールでビールを注文してステージで一気に飲んだら、すんごくおいしかった。少し酔いが回って、さらに気持ち良くなって、普段歌うことのない曲を中心に、アンコールで7曲程歌う。
 最小限の音数で、たっぷりと間を取りながら弾き語ることができた。こういう演奏を録音しておけばよかったと思う。最高に解放されている瞬間。

 打ち上げでいただいた手料理、美味しかったなあ。ライブを主催してくれた高木夫妻はじめ、スタッフの皆さん、多くの地元の人達の思い、暖かさが身にしみた2日間でもあった。

2010年10月2日土曜日

下北沢で飲み明かして松本へ

長野県松本市 ALECX Bar space squall 
 結局、直枝さん達と下北沢で始発の時間まで飲み明かした。
 自分は東京での宿泊をあきらめ、新宿から「あずさ1号」に乗車して、ライブ地の松本へ向かう。午前9時過ぎ、松本駅に到着、その足で駅近くの温泉に直 行。ゆっくりと湯につかり、館内の食堂でかき揚げ蕎麦を食べた後は、畳の間の休憩室で、会場入り時間まで爆睡。我ながら旅慣れしているなあと。
 squallのピアノは自分の帰りを待ってくれていたかのように、こちらのタッチによく応えてくれた。
 この日の気分をどう説明したらいいんだろう。ちょっとけだるさがあって、マイペースに解放されている感じ。こういう力の抜けた邪念のないフィーリングをいつも持てたらなと思う。
 この日のライブは自分でも予想外の選曲になった。久し振りに演奏した曲も多かった。それだけステージで自由だったんだと思う。 

2010年10月1日金曜日

出会い繋がる下北沢の夜

下北沢 ラ.カーニャ
【出演】直枝政広(カーネーション)/リクオ 【サポート】橋本歩(チェロ)
 今年の4月、ツアーの2次会で訪れた札幌のバーで、直枝さんと偶然の再会を果たしたことが、この日の共演のきっかけになった。その時は2人とも随分な 酔っぱらいで、まともな会話を交わした記憶がない。それから1週間も経たずに、今度は南青山で直枝さんとバッタリ再会。その時はお互いシラフで、アルバム を交換し合ったりして、別れたのだった。
 帰宅後、直枝さんからもらったカーネーションの新譜「Velvet Velvet」を聴かせてもらった。以前よりも色気やワイルドネスが増している印象を受けて、「洗練の先の粗野」という言葉を思い出した。多いに刺激を受けて、曲を書く意欲が湧いた。
 後日、知人から、直枝さんがツイッター上で「リクオ&ピアノ」を絶賛してくれていたという話を聞いて、とても嬉しく思った。
 直枝さんとはラ.カーニャでの共演が決まった後の8月にも、ダン.ペンのライブ会場で再会。そのときに直枝さんが「ダン.ペンの音楽を聴いたら、また曲 が出来そうな気がするんだ」と言っていたのだけれど、それは自分がカーネーションのアルバムを聴いた時にも感じたことだった。
 直枝さんの弾き語りを聴くのは、この日が始めてだった。アコースティックギターが凄く馴染んでいて、「ああ、この人はバンドをやる前に、アコギで弾き語っていたんだな。元はシンガーソング.ライター指向だったんだな」と思った。
 直枝さんの弾き語りスタイルに、ブルースフィーリングが備わっていることにも、共感を覚えた。割り切れない思い、持て余した思いが表現の原動力になっていて、生々しさが色っぽく伝わってきた。

 ラ.カーニャは自分は東京に住んでいた2年半前まで、もっともよく飲みに行ったお店の一つだった。マスターの岩下さんとの付き合いは20年を超える。デ ビュー当時からずっと自分を見守ってくれている人だと勝手に思っている。この日のライブは、岩下さんが飲み屋を始めて30周年を記念してのシリーズライブ の一つ。30周年をお祝いできて嬉しい。
 ライブは終始、いいヴァイブに包まれていた。歩ちゃんのチェロも演奏する喜びに満ちていた。最後のセッションも楽しかったなあ。
 矢野絢子ちゃん、鈴木亜紀ちゃん、ハシケン等知り合いミュージシャンが遊びに来てくれたことも嬉しかったな。出会いの繋がった夜だった。