2016年3月11日金曜日

あれから

ホームページとブログのリニューアルに合わせて久し振りにブログ更新します。
東日本大震災から5年目にあたる今日、震災から5日後の11年3月16日の自分のブログに掲載した詩を再掲載します。


しばらくテレビのニュースを消して パソコンも閉じて 心を鎮めてみる
自分の弱さ 脆さを嘆くのはやめる 認めてやる
そらしゃあない
自分にとって大切なものは何?
つないだ手のぬくもりを思い出す
忘れかけていたメロディーを口ずさむ
少し無理をしてバカなことを言ってみる
結構受けた
笑顔にほっとした
自分の中にあった優しさを思い出す
希望を思い出す
勇気を思い出す

新しい暮らしが始まる
新しい生き方を探す
一人ではなく
哀しみを忘れない
後悔を忘れない
後ろめたさも忘れない
でも、引きずらない
力み過ぎない
祈り続ける
歌い続ける
新しい言葉とメロディーが生まれる
呼吸を整えて、元気を出す

この5年の間、自分が書いたこの詩を何度も読み返しました。
あれから何を終わらせて、何を始めることができたのか。今も明確に答えることができずにいます。
自主レーベル「Hello Records」を立ち上げて、4月14日(木)にリリースされる自分のソロアルバム『Hello!』に収録したナンバー「あれから」の語りの部分に、少し手直しを加えて、この詩を使いました。

詩を使うにあたっては、5年前の自分の心情を忘れずに心の中にとどめたいとの思いがありました。出来事だけじゃなく、あのときの空気や絡み合った思いを忘れずにいたい、あきれる程に忘れがちではあるけれど、なかったことにしちゃいけない、でないと未来が塞がれてしまう。目をそらしがちな一方で、そんな危機感を含んだ思いも、この5年の間でさらに膨らんだ気がします。
前を向くばかりでなく、立ち止まり、振り返り、闇に目を凝らす態度が、未来を照らすことにつながるのだとの思いを強くしています。


 ー2016年 3月11日(金)