2001年5月5日土曜日

2001年5月5日(土)

大阪の名物ライブイヴェント「春一番」に出演。午後2時半からの出番と聞いて いたので12時半頃に会場である服部緑地公園野外音楽堂に到着、楽屋に張り出された本番のタイムテーブルをみたら、出番が最後に変わっていた。こういう適 当なところも、春一番らしさと納得する。
春一番は元々70’年代に関西フォークと総称された関西発の音楽ムーヴメント を象徴する野外音楽イヴェントとして70’年代後半まで続けられていたものが95’年に復活、それ以降毎年、ゴールデンウィークの時期に開催され続けてい る。基本的に集まっているスタッフは皆ボランティアで、ほとんど営利を目的にしない草の根的なイヴェントだ。
出演者は関西フォークの流れを組むベテランを中心に地元のミュージシャンも多 数参加する。アマチュアとプロが分け隔てなくステージに上がるのも大きな特徴の一つ。ボランティアのスタッフを除けば、ステージも客席も平均年齢は高く、 30をこえていると思われる。
会場全体にのんびり、まったりとした空気が流れていて、前席で観るよりも客席後方の芝生で横になって、ビールでも飲みながら観ることを好むお客さんが多 い。
かっての春一番には違う価値観が摩擦しあって生まれる緊張感があったのかもしれないが、今はそういう強い刺激を求めてこのイヴェントに参加している人は皆無だろう。どちらかと言えば同じ価値観を共有できる場に身を置いて、心をオー バーホールするために参加している人が多いと思う。とても貴重な究極の身内乗 りイヴェントだと思う。
毎年この時期、この空間に身を置くといつも、久し振りに故郷に帰ってきた時のような安心感と違和感を同時に抱く。自分が今大切にしたいのはこの違和感の方だ。ここからもっと遠くに離れてしまえば、こういう複雑な思いは消えてゆくの かもしれない。次にこの場所に戻ってきたとき、自分はどんな思いを抱くのだろ う。

0 件のコメント:

コメントを投稿