2013年8月23日金曜日

プロジェクトFUKUSHIMA!イベント「Hello!!816(廃炉)」に参加して

ー2年振りのラストワルツ 先日、ミュージシャンとしても人としても尊敬する遠藤ミチロウさんからお誘いを受け、福島県郡山で開催されたプロジェクトFUKUSHIMA!イベント 「Hello!!816(廃炉)」に、脱原発を希望する1人として参加させてもらいました。イベントでは、郡山市街のいくつかの会場で同時並行にライブが 行われ、自分はラストワルツのステージに立たせてもらいました。ラストワルツは、15年前にツアーで訪れて以来、ずっと縁が続いているお店なんです。
今から約2年前、福島第一原発の事故から5ヶ月後にラストワルツを訪れました。その時の訪問は、プライベートなものでした。郡山には多量の放射能が降り注 ぎ、多くの人が街を出てゆく中、郡山に残ることを選択したラストワルツのマスター和泉さんら地元の知人達と再会し、酒を酌み交わすことが目的で、ツアーの 途中に、ラストワルツを訪れたんです。ある程度は予想していたのですが、お店の扉を開けたら、やっぱり楽器とマイクが用意されていて、急遽小一時間程のラ イブをやらせてもらいました。
ライブを終えた後の飲み会では、地元の人達からヘビーな話を色々と聞かされました。放射能が地域の人間関係を残酷に破壊し、人々を孤立させていることを実 感させられて、ショックだったのを覚えています。ただ、この日自分が郡山にやって来た一番の目的は、皆と楽しく飲むことだったので、最後は、無理矢理にで もという気持ちでどんちゃん騒ぎに持っていって、夜更けまでさんざんバカをやりました。
再会を誓い、別れを惜しんでの帰り際、マスターの和泉さんが、わざわざ表までオレを見送ってくれました。そのとき、普段は寡黙で控え目な和泉さんから突然、はっきりとした口調で、こう言われました。
「リクオ、No more Fukusimaの曲を書いて」
何とも言えない気持ちになりました。

あれから2年。郡山市街の線量は、まだ通常の値をはるかに超えています。この数値が、人体にどれ程の影響を及ぼすのか、オレにはよくわかりません。ただ、 原発事故が郡山で暮らす人々の生活を壊し、共同体の人間関係を壊し、心に深い傷を与えていることは確かです。その傷は”経済復興”だけで消せるものではあ りません。
この日、「Hello!!816(廃炉)」イベント終了後、打ち上げが始まる迄の時間を利用して、再びラストワルツを訪れ、しばらくカウンターで飲ませて もらいました。カウンター越しの和泉さんとは、たいした会話を交わすこともなく、程なくして別会場での打ち上げに参加する時間が来てしまいました。和泉さ んは、2年前と同じように、表までオレを見送ってくれました。
そして帰り際に、こう言ってくれました。
「原発の歌(『アリガトウ サヨナラ 原子力発電所』)よかった。ありがとね。」
必ずまたラストワルツに戻ってきます。
ー2013年8月23日

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