日中は駅前の古い茶店で過ごす。
そこにおいてあった週刊ポストを読んでいたら「マンガ流大人の作法/斉藤孝」という面白い連載を見つけた。毎回マンガの名作を取り上げて、そこから大人として現代を生きてゆく術を見つけだそうという試みのようだ。
この号で取り上げられているマンガは‘70年代の名作、永井豪の「デビルマン」。小学生の頃に、はじめて読んで、それから何度も読み返している思い入れのある作品だ。『デビルマン』は、悪魔の男ではなく、「悪魔+人間」。
主人公の不動明は、眠りからさめて地球を再び支配しようとするデーモンと戦うための唯一の方法として、他の生物との合体能力を持つデーモンと合体する。
つまり毒を持って毒を制しようとするのだ。
デーモンの超能力を持ちながら、人間的な理性や優しさも失わない、それがデビルマンなのだ。矛盾を体内に取り込んで、不適合を起こしながらも、その中で免
疫をつくり、強い段階にする。人間はそうやって矛盾を「止揚」することでしか、前に進むことはできないのだろう。
その中で矛盾に取り込まれ、ミイラ取りがミイラになってしまう場合も多い。けれど、それを恐れていては何も変わらないのかもしれない。
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