2003年2月8日土曜日

2003年2月8日(土) 金沢・もっきりや

昨日は飲み過ぎた。疲れを残したまま金沢へ。
冬の金沢に訪れるのは学生時代以来。予想より気温が高く、雪もあまり残っていない。
今日から二日間、‘もっきりや’でライブ。去年の9月にこのお店でやらせてもらったライブがとても好評だったことがきっかけで、今回は2DAYSやらせてもらうことになった。
‘もっきりや’を初めて訪れたのは高校2年のとき。当時、金沢の大学に通っていた姉がこのお店でバイトしていたので、夏休みを利用して遊びに来たのだ。
丁度その時、‘もっきりや’ジャズ・ピアニストの山下洋輔さんのライブをやっていて、姉のコネで一番前の席で観させてもらうことができた。
わけの分からないフリージャズの世界が目の前で壮絶に展開され、最初はただただ圧倒されていたのだが、そのサウンドに身を委ねている内に強力な眠気に襲われ、ライブの途中で居眠りしてしまった。けれどその時のライブの印象はいまだに強く残っている。
‘もっきりや’は高校2年生の自分にはとても新鮮で、少し懐かしくもある空間だった。手作りの内装、棚にずらりと並べられたジャズやシンガーソングライ ター系のアナログ盤、店内に貼られた映画やライブのポスター&フライヤー、お店に集まってくる癖の強そうな人達、コーヒー一杯で続けられる音楽論、タバコ の臭い、こよなく音楽と映画を愛するマスター、‘もっきりや’は'80年代に入っても'70年前後のサブカルチャーの臭いをひきずっていた。そんなお店の たたずまい、空気に当時の自分は憧れを抱いた。その頃の気持ちは今も残っている。
マスターの平賀さんの印象は当時から少しも変わらない。音楽の聴き手としてこれほど素敵な人を他にあまり知らない。好きな音楽を聴いたり、語ったりしている時の平賀さんの幸せそうな顔といったら、ほんまみんなに見せてあげたい。
平賀さんはいつもカウンターの中で、音楽に身を委ねながら、さまざまな世界に思いを馳せ、旅を続けている。どこへ行っても何も見えない人もいれば、同じ場所にいて多くを見て感じている人もいる。

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