2003年5月20日火曜日

2003年5月20日(火)下北沢440

440の1周年記念イベントに出演。
440はとても可能性のあるお店だと思う。
まず、ほぼ毎日、ライブ.ブッキングがありながらも、基本的にはカフェスタイルの飲食店として経営を成り立たせようとしているところが、非常に良い。
営業はランチタイムからバー営業の深夜にまで及ぶ。ライブが終わってからも、お客さんは居座って飲み続けることが可能だし、出演者もそのまま440で打ち上がることができる。
地下ではなく、通りに面した1階にあって、客席後方にあたる通り沿いが、ガラスばりになっているから、通りから中の様子をうかがうことも可能。とてもオープンな雰囲気がある。
ライブ前、ライブ後に知り合いがぶらりと店に顔をだすことも多い。社交場としても成り立つ要素がある。
スタッフの顔がよく見えるのもよい。
お店が主催するイベントでは、アマチュア、セミプロにも場を提供していて、敷き居を上げ過ぎないようにしているのもよい。そうかと思えば、デカ箱クラスの動員力を持つ人達が、さりげなくブッキングに名を連ねていたりする。
ブッキング・スケジュールが早くからつまり過ぎないのもよい。
飲食営業で成り立たせようとしているから、出演者へのギャランティーが非常に良心的に設定されているのが、ありがたい。チャージも安いので、お客さんが足を運びやすい。
この営業方針だと、金にはなるが、あまり気の進まないブッキングは避けやすい。
こうやって上げてゆくと、440は自分が理想とするライブ.ハウスのスタイルに近いことに気付く。
8月5日から、ここ440で2月に1回、定期的にライブをやってゆくことになった。ヘルツ以来の、グルーヴィーなバンド.スタイルを中心に、毎回、趣向をこらした内容にするつもり。新曲もどんどん発表してゆくつもり。
パーティーに遊びに来るような感覚でお客さんが足を運んでくれたらと思う。
今夜のイベントで、小林創君という、いいピアニストに出会った。ファッツ&ファッツという名前の通りの太っちょ2人組バンドで、サッチモなどの古いジャズ.ナンバーを主なレパートリーにしている。
彼に刺激されて、今夜のステージのピアノはいつもより気合いが入った。
ライブの後、そのまま440で打ち上がっている時、携帯に出るため表に出たところで、一人の20代と思われる若い男と、目が会う。どうやらファンのようで、オレから目を離さない。
携帯を切ったら、そいつがすぐに話し掛けてきた。通りを歩いていたら、たまたまオレを見かけたのだそう。ぜひ、色々と話をさせてほしいと言う。オレは店で 飲んでいるから話をしたければ店に来いよ、と言ったら、そいつはちっとも気兼ねせず店に入ってきた。
キクチと名乗るその男は、大阪から東京に出て来たばかりの26歳。現在、都庁の近くでホームレス暮らしをしているとのこと。
バンドをやったり、詩を書いたりしていそうだ。
そいつが大事に持ち歩いている小さなノートを見せてもらう。そこには、意味不明の記号やら絵やら文章が、ページ一杯にぎっしりつまっていた。
やはり、変な奴。
けれど、その文やら記号が意味不明なりに、ユーモラスで興味深く思えたので、そいつに内容の解説を頼んだら、これが爆笑。
そのノートにはキクチなりの世界観が記されていることが判明。もしかして、こいつ天才?いや、オレが酔っていただけかも。ようわからんけど、面白いので、そばにおいておくことにした。
440を出た後、ラーメン食って、知り合いの飲み屋へ。キクチは一文無しのくせに、ついて来る。
デルタで飲み出したら、さっきまで爆笑だったキクチの言動は、空気を読めずに、はずしてばかり。ちっとも面白くなくなってしまった。
喧嘩で殴られたというキクチの左頬は腫れていて、切り傷があった。空回りしだしたキクチの言動は、回りの客やマスターの反感をも買うようになり、汝、左頬 をしばかれたら、右頬もしばかれそうな雰囲気に。ああ、さっきまで、あんなに面白かったのに。容赦ない罵声がキクチに浴びせられるようになり、もはや言葉 のサンドバック状態。
それでもめげない、キクチ。こいつに自己翻訳能力があればな。
夜も更けて、アルコール.エンジンが相当にかかり出したオレは、回りの客も巻き込んで、飲んで、歌って、踊って、騒ぎまくる。
Nさんが回らないミラーボールを手で回しながら踊っている。
トッチーの動きは盆踊りみたい。
Mちゃんの腰の動き、最高。
キクチが置いてあったスネアを叩いている。音が大きすぎて、また皆から罵倒される。
夜もすっかり明けて、気付けば朝の7時。閉店時間の3時は、とっくに過ぎていた。サンキュー、マスター。
夜通し、遊び切ったという充実感、達成感あり。マスターと堅い握手を交わして、店を出る。
キクチは結局、ボロカスに言われながら最後まで店にいた。部屋までついて来そうだったが、下北沢でほって帰った。

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