昼過ぎには京都入りして、ホテルにチェックイン。
夜7時過ぎにヤンシーとホテルのロビーで待ち合わせて、明日のライブのゲストである中川君と
のリハーサルに向かうためにJRに乗る。大阪のとある駅で下車。駅まで中川君が車で迎えに来てくれて、彼がやっているバンド、ソウルフラワーユニオンのプ
ライベートスタジオに向かう。スタジオといっても10畳程の広さだが、録音できる機材は一通り揃っている。ここでアルバムのダヴィングや仮ミックスも行う
そうだ。
オレが中川君にはじめて遭遇したのは、今から17年程前。大阪で、今のソウルフラワーの一員である英ちゃん(伊丹英子)が当時やってい
たメスカリンドライブという女の子ばかりのガレージパンクバンドのライブを観に行ったときのこと。その日のライブはお客さんが少なく、盛り上がりも今ひと
つ。ライブの本編が終ったら、アンコールも起こらなかった。そうしたらやたらと目をぎらつかせた男が舞台袖からステージに出てきて「おまえら、なんでアン
コールせえへんねん。もっと聴きたないんかい?」なんてことをアジりだしたのだ。で、アンコールもないのに、再びメンバーをステージに呼んで、強引にアン
コールの演奏をやらせてしまった。むちゃな奴やなあと思った。
中川君とはじめて話したのは、それから数年後、オレがCDデビューした直後に、中
川君が当時やっていたニューエストモデルというバンドのライブのゲストに、オレを呼んでくれたときだと思う。ライブの打ち上げの席で「リクオ君、喧嘩でき
る仲になろうや」と彼から言われたの記憶に残っている。
ヤンシーと中川君はこの日が初対面。中川君は、大阪人らしく、いきなり速射砲トークをヤ
ンシーに浴びせる。お互いの話すスピードが倍くらい違う感じ。ヤンシーにとっては、多分今まであまり付き合いのない人種だろう。リハは予想よりずっとス
ムーズに進む。ヤンシーも中川君の音楽に新鮮な興味を持った様子。
中川君はこの日リハを行ったスタジオに隣接したマンションに住んでいて、その
同じマンションには、なんとアイリッシュ.トラッド界の巨匠、ドーナル.ラニーさんが住んでいる。ドーナルさんは数年前に、ソウルフラワーの一員である英
ちゃんと結婚して、アイルランドと大阪を行き来する生活を続けているのだ。
オレと英ちゃんとの付き合いも長い。大阪でガレージパンクをやってた女の子が、まさかドーナルさんに行き着くとは。面白いなあ。
リハが一段落して、中川君がドーナルさんに会いに行こうと言うので、彼の部屋に案内してもらう。優しい笑顔でドーナルさんが迎えてくれる。部屋には英ちゃ
んとドーナルさんの間に生まれたソラちゃんという2歳になるかわいい女の子が、おもちゃと戯れていた。しばらくしたら英ちゃんも帰って来て、ワインを開け
てくれたりするもんだから、終電を逃してしまう。 ドーナルさんが「風のイメージ」というオレのオリジナル曲が好きなので、一緒にやってみたいと言っ
てくれる。急遽ドーナルさんに明日のライブに参加してもらうことにする。いや~、楽しみ。
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