「roots」Vol.01~END TO START~さよなら鶴川座ライブ~
出演:リクオ/山口 洋 (HEATWAVE)/藤井 一彦(THE GROOVERS)/ハシケン/ヤンシー/鈴木亜紀
エンターテイメントの箱として100年以上続いた鶴川座が今月の17日で閉鎖される。酒井くん、さっちゃん等が倉庫として10年間眠っていた鶴川座を鶴川座創奏として再開させてから、まだ1年も経っていない。
閉鎖が決まるまでに至る、酒井くん、さっちゃんの苦闘、葛藤は、端から見ていてもつらいものがあった。鶴川座創奏の立ち上げから、今日に至るまで、これでもかというくらいたくさんの試練、困難が二人に降り掛かってきた。
酒井君もさっちゃんもずっともがき続けてきた。でも、二人は逃げなかったと思う。試練を受け止めて、あきらめずに乗り越えようとしてきた。鶴川座は閉館す るけれど、二人は新たな発信場所を見つけ、もう一度スタートを切ろうとしている。今回のイベントはスタートのためにエンディングでもある。
午前 11時前に会場入りしてスタッフ達と挨拶。コータロー君、高橋さん、あいちゃん、DJ&VJチームであるパラスキクルーのメンバー他多くのスタッフと 「ROLLING SINGERS REVIEW」以来の再会。みな笑顔。酒井くんと、さっちゃんが元気そうで、前向きな力が伝わってきたことが、何よりも嬉しかった。
出演者もぞくぞくと鶴川座へやって来た。よく知った仲もいれば、初対面同士もいる。なるべく紹介役をつとめるようにする。
楽屋で山口と一彦と一緒にいる図なんていつ以来だろう。ちょっと同窓会みたいな感じ。一彦とはデビュー当時からの付き合い。同じ事務所に所属していて仲が良く、ツアーにも何度も一緒に出たし、レコーディングにもよく参加してもらっていた。
でも最近はすっかりご無沙汰で、下北あたりで夜更けまで一緒に飲むなんてこともなくなった。お互いを必要とする時期というのがあって、そうでないときは無 理に交流することもないのだろうと思う。オレとしてはこの日の久し振りの共演をとても楽しみにしていた。何かが、一回りしたのかもしれない。
3人でいると山口が終始ふざけてアホなことばかり言って、ムードメーカーを買って出ているのが面白かった。楽屋で、3人で記念写真を撮ろうということになり、それぞれのデジカメで撮影会をする。いや~、3人ともガラ悪なったな。
鶴川座は楽屋もいい。ステージの真裏にあって、通常のライブハウスの楽屋よりかなり広い。くつろげるソファや、着替え部屋、畳のウォーミングアップ.ルー ムも備えられていて、出番までストレスなく過ごせるよう色々と工夫されている。出演者同士もコミュニケーションがしやすく、楽屋から新しい出会いや音楽が 生まれる環境が整えられている。
特にこういうイベントだと、鶴川座の楽屋で過ごす時間は楽しいし、結構有意義。楽屋で、出演者の様子を眺めてい るのも面白い。トップバッターの亜紀ちゃんは、出番がすんで早々に赤ワインを飲み始めている。ヤンシーは近くの中古レコード屋で買って来たアレサのアナロ グ盤を嬉しそうに眺めている。楽屋にも響いてくるハシケンの伸びやかな歌声を聴きながら、「この歌いいねえ」なんて話になる。
オレも他の出演者も楽屋と客席を行ったり来たり。出演者でありながら、お客にもなれるイベントって、ほんと楽しい。客席から観た山口と一彦のセッションは最高やったなあ。
山口と一彦とオレの3人でのセッションも良かった。一彦と同じステージに立つのは、多分10年ぶりくらい。一彦、やっぱりかっこええやん。
オレは1曲目に「サヨナラカラー」をもってきた。2曲めからはヤンシーに参加してもらう。鶴川座でいつかクレイジーフィンガーズのライブをやってほしいと 言われていて、実現しなかったので、ミニ.クレフィン状態で3曲。その後、ハシケンが加わっての「ソウル」。本編最後のナンバーは「パラダイス」。コーラ スグループ「アフロ橘」のメンバーが、飛び入りして盛り上げてくれた。
アンコールでは皆で「光」をセッションした。鶴川座のステージで過去と現在と未来が交錯し、つながってゆくのを感じた。
★鶴川座楽屋にて。左から山口、一彦、オレ。
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